【大紀元日本6月27日】 東京都新宿区戸山の旧陸軍軍医学校の敷地近辺に、1989年頃、頭蓋骨(ずがいこつ)などの人骨が100人分以上発見された。最近になってさらに大量の人骨が埋蔵されている可能性が浮上した。同校の看護師だった女性が今年、「進駐軍に見つからないよう人体標本を3カ所に埋めた」などと詳細に証言し、23日に川崎厚労相に会い、その事実を伝えたという。人骨には、日本兵の戦死体のほか、外国人のものも含まれているとみられ、厚労省は発掘調査する予定。
元陸軍軍医学校に看護師として勤務していた石井十世さん(84)=都内在住=は23日に川崎厚労相との面会で、戦争中、戦死体とみられる遺体などが解剖され、人体標本として病院内に保管していた事や、終戦後、占領米軍に発見されることを恐れ、関係者が敷地内に遺体を埋めた事などを証言した。
同地区では89年7月、国立予防衛生研究所の建設中に、頭蓋骨など100体以上の人骨が発見された。専門家が鑑定した結果、日本人ではない骨も混じっている事や、のこぎりなどで加工された跡がある事などが判明した。
石井さんの話しによると、当時これらの人骨は三箇所に分かれて埋められ、89年に発見されたのはそのうちの一箇所で、他の1カ所では自分自身も作業に参加したという。 その他の2カ所はいずれも国有地で、公務員住宅などが建てられているもよう。
近辺では戦争中、陸軍の医療施設が集中し、中国で細菌や毒物などの生体実験を実施した「731部隊」の日本での研究拠点もあった。
これまでに、旧陸軍軍医学校近辺では、89年に発見した場所以外のところにも、人体標本が埋められたとの説が以前から浮上していた。証言者がない上、場所の特定も困難である為、厚労省は発掘調査する必要がないと判断していた。
しかし、今回の石井さんの証言を受け、状況は急変し、川崎厚労相は石井さんと面談した後、「調査」を明言した。
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