【大紀元日本6月22日】台湾の最大野党・国民党が陳総統周辺の不正疑惑にかかわる重大理由を盛り込んだ総統罷免案を立法院に提出した。これに対し、陳水扁・台湾総統は立法院への総統罷免案答弁書を提出する代わりに国民に向け、20日午後8時、テレビの生中継で「国民に報告」を行った。陳総統が2000年5月の執政以来、テレビを通じて国民に報告を行うことは初めて。
陳総統は、これまで何人かの行政院長の任命を行ったが、野党からの異議申し立てもなく、憲法にも違反していないことから、罷免される理由はないと主張した。
また、陳総統は、執政して以来、外貨準備高が増加し、5月の外貨準備高はこれまでの記録を破り、世界3位を占め、国際社会における競争力もアジアの上位を占めることができたとし、さらに、台北より宜蘭までの高速道路等の国家建設に尽力して完成させた政治実績を強調した。
陳総統は、非難された外交失敗について、執政以来台湾のために外交の獲得に努力し、台湾の尊厳を保ち、大陸の封鎖を突破するように尽力してきたことに言及し、外交の挫折で総統を罷免することは理由にならないと主張した。
また、陳総統は、中共は台湾を抑圧する際、藍党(国民党)や緑党(民進党)の区別はしないとし、中共は、馬英九・国民党党首に対しても同様な扱いであることを示した。陳総統は、両岸は緊張状態である指摘に対して、直行チャーター便等の協議に達成していることから、両岸は緊張状態にあるのではなく、過熱状態であるとの見解を示した。陳総統は、これまで「四不」原則は変わっていないとし、台湾において、出身地の対立問題は存在せず、国家を承認する問題のみ存在しているとし、台湾主体を主張する者は罷免されるべきではないとの意見を強く示した。
陳総統は、今回のテレビ中継では、インサイダー取引容疑で拘束された娘婿および呉淑珍・総統夫人が多くのデパート商品券を受け取った容疑に対しての説明はなかった。
台湾の立法院に罷免にかけられた台湾総統は、史上最初である。