【大紀元日本6月21日】安徽省当涂県城関鎮は6月16日午後3時ごろ、乳化爆薬の製造会社「盾安化工集団有限公司(以下、盾安化工)」の工場で、大爆発事故が発生した。14人が死亡、2人が行方不明、24人が負傷、そのうち3人が重傷を負い危篤状態。事故原因は現在調査中。
「中国青年報」によると、同事故はこれまで国内各地で頻
中国では、炭鉱業から他業界へ「事故ウイルス」が蔓延=写真は、2005年6月に四川省梅山市の化学工場で起きた爆発現場(Getty Images)
発した炭坑内の事故と多くの共通点があることが、労働者らの話で明らかになった。特別重大労働災害事故を引き起こした「事故ウイルス」は、炭鉱から他業界へ蔓延したという。
同事故が起きた当時、現場から十数キロを離れたところの住民らが、「地震のように床が震動している」と感じたという。また、爆発現場から3~4キロ先の多くの住宅の窓が震動で割れたという。
目撃者によると、爆発後の現場では、工場内の2階建ビルは粉々になっており、工場敷地内の十数軒の建物も全壊した。また、地面は深さ4~5メートルの大きい穴が開いたという。
情報筋によると、同工場は昨年1月に民営化され、従業員は全員民営化された後に雇われた者で、育成訓練を受けないで仕事に就いたという。
同工場の退職者によると、数十年間の勤務において、一度も事故はなかったという。また、娘が勤務しているもう1人の退職者・蔡有福氏によると、古い従業員は、同工場で製造している製品は危険性が高いことを知っているとし、企業管理も基準に合っており、従業員らの安全意識は高かったことを示した。同氏は、厳重にマニュアルに従い、しっかりと操作すれば、危険ではないと強調した。
実際、民営化した際、蔡氏のような長年勤務した熟練労働者のほとんどが会社の方針で早期退職したという。企業側にとっては、会社の負担が軽減されたが、人員の減少、長年勤務した技術者、特に熟練労働者の数も減少した。体力が要求される多くの仕事は経験のない若者に替わったという。
情報筋によると、現在中国国内では、山を切り開くための爆薬の売れ行きがよく、生産が追いつかない状況にあるという。盾安化工は、今年の上半期の生産計画をこなすため、6月8日から28日まで、休まずに連続20日間の稼働を決定したという。
しかし、同工場のベテラン労働者によると、暑い日が続いた場合、化工工場の生産は一時停止すると同時に、機械設備の点検および手入れを行うのが普通であると強調した。労働の超負荷は安全生産にとってもっとも恐れることであり、ましてや特殊業種である爆薬の製造では、なおさら負荷してはならないという。特に、生産用機械は1日20時間以上の稼働は、部品が劣化し易く、花火を引き起こしやすいことから、爆薬生産企業にとって致命的であることを示した。
安徽省安善生産監督管理局の者によると、企業が安全に対する責任を果たしておらず、管理がゆるく、規則を守らずに作業を行い、労働紀律問題の違反などを指摘した。
中共の国家「安全生産法」および安徽省「安全生産条例」(草案)の規定では、新しい従業員がすべての生産安全に関連する規則・制度および安全操作方法を熟知し、安全操作技能を把握するために、生産企業は従業員に対して、生産の安全教育および訓練を行い、新しい従業員は仕事に就く前に同教育訓練を受ける時間は24時間を下回ることになってはならないと定めている。
しかし、上述の両規程はそれぞれ実施して3年および2年が経っても、相当数の生産企業責任者、または安全管理者はいまだに遵守することができていないことから、従業員の安全訓練は空論に帰すると見られている。