谷垣財務相は14日、福井日銀総裁が1000万円を村上ファンドに資金拠出していた問題について、法に触れる問題ではないとしながらも「日銀は金融政策を担っており、李下に冠を正さずという言葉もある。(そうしたことに)日銀としても意を用いてほしい」と述べた。午後の記者会見で語った。
谷垣財務相は、福井日銀総裁が村上ファンドに資金拠出をしていた問題について「きのう国会で聞いていた限りでは、法律に触れる問題ではないと思う。また、(福井総裁が)民間におられた時に契約ということでもある」とし、大きく問題視はしていないとの姿勢を示した。
ただ「金融は信頼が秩序の核になる」とした上で、「瓜田に履(くつ)を納(い)れず、李下に冠を正さず」との故事を引用し、日銀には意を用いてほしいと苦言を呈した。
谷垣財務相は、きょう自民党本部で中川政調会長に会い「政調会長からは、党で検討を進めている2011年度までの具体的な歳出削減方策に財務省としても協力してほしい、との要請を受けた」ことを明らかにした。
ただ、その場では、歳出削減項目など個別の具体的な話は出なかったという。
また、きょう財政制度等審議会が「歳出・歳入一体改革に向けた基本的考え方について」と題した建議をとりまとめたことについて「政府・与党で歳出・歳入一体改革の議論を進めているが、まず、歳出削減にしっかり取り組む必要がある。建議の提言をしっかり生かしていく必要がある」と語った。
[ロイター14日=東京]
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