【大紀元日本3月11日】インターネット検索エンジンを提供するグーグル社は、「詐欺クリック」(click fraud)と訴えられた集団訴訟は、グーグル社は原告側の企業に計9千万ドルを支払うことで和解した。アーカンソー州の小売業者レインズ・ギフト&コレクティブルズ社が代表する原告側の企業は、「アクセス数で広告料金を決める」というグーグル社の広告システムには、詐欺の恐れが生じ、広告費を過大に徴収されたと主張した。
この和解案の弁償対象は、2002年2月から4年間の間にグーグル社のホームページで広告を出し、「アクセス数で広告料金を決める」方法で広告費を支払った企業が対象となる。
この訴訟案は、ネット検索エンジン業界に潜む「詐欺クリック」問題を露呈させた。通常では広告を1回アクセスされるごとに、広告主が50セントの広告費を支払う。しかし、競争相手の企業のネット広告を故意にアクセスし続けたり、専門ソフトを使い、自動的にアクセス数を増やしたりする悪質的な手法が使われるようになり、広告費用が過大になると指摘された。
訴訟案が複雑化になることで、グーグル社の営業利益の減少が憂慮されてきた。そのためスタンダード&プアーズのアナリストであるコスラ氏は、グーグル社の投資評価を下げ、理由は「広告運営に支障が生じ、顕著なリスクをもたらす」と挙げられた。一方、2004年12月グーグル社の財務総監レイヤ氏も「詐欺クリック」を指摘されることは、企業運営において「もっとも重大な脅威」であると認めた。
法律専門家は、グーグル社が法廷外和解に同意したのは、早急に事態を収拾、泥沼の訴訟案に巻き込まれたくないからだと分析している。米国の有名弁護士キモルスタイン氏は、グーグル社は訴訟案を回避できるかどうか、最終的な決め手はどれだけの広告主がこの和解案を受け入れる。
これまで、「詐欺クリック」がもたらした経済損失が正式に統計されていないのだが、業界全体は非常に深刻に受け止めている。ある専門組織は昨年末に500以上の広告主と市場推進機構に調査を行った。結果16%は問題が深刻だと表明、78%の広告主と59%の代理機構は、「詐欺クリック」の実態が存在すると指摘、半数以上の広告主は「競争相手に悪質なアクセスされ、経営コストが増加した」という。
グーグル社は最近トラブル続きだ。誤って販売予測情報をウェブサイトに掲載し、投資家の不安を招き、株価が2・9%下げ、1月からすでに26%下落した。投資家が会社の財務処理能力を憂慮するほか、同社はさらに激化した競争に直面すると予測しているからだという。一方、グーグル社は中国市場に進出するため、年初から中共政権のネット情報検閲に協力すると表明したばかり、企業イメージが損なわれたとの見方もある。