【大紀元日本3月8日】2001年に出版された『やがて中国の崩壊がはじまる』(著者:ゴードン・チャン)は、金融市場の開放に伴い、中国経済は全面崩壊すると予言した。本が出版された後、中共のメディアや、親中派の外資系企業から批判を浴びることとなった。ここ数年、中共政権が外資系企業に中国国有銀行の株を大量に譲渡し始めたのを受け、台湾誌「前哨月刊」はこのほど、再度この問題を取り上げ、同書の論点に同調する見解を示した。
『やがて中国の崩壊がはじまる』の著者ゴードン・チャン氏は20年にわたって中国企業の法律コンサルタントを務め、中国事情に精通した弁護士。同氏は著書の中で、中共がWTO加盟から5年以内に中共の一党独裁体制が終焉を迎えると予測。WTO加盟時の条件として、2006年年末をめどに中国は金融市場を外資系金融機関に全面開放しなければならない。中国の銀行が多額な不良債権を抱えているため、外資系銀行が市場に参入すると、顧客は貯金を解約し、外資に移ると同氏は分析し、このことが命取りとなり、中国の銀行が破綻し、経済が全面的に崩壊するとみている。
中共メディアはこの論点を、政権の崩壊を狙う海外の「転覆勢力」による暴言だと批判、中国に投資する一部の大手外資系企業と連携し、大々的にチャン氏への攻撃を展開した。
香港誌「前哨月刊」の最新号は、再びこのことを取りあげ、チャン氏が問題にしていることは明らかな事実であると示した。「一部の外国人エコノミストは中国の銀行の不良債権比率は50%に達すると指摘するが、中共政権は25%であると反論している。いずれにせよ、25%の不良債権を抱える銀行はいつ倒産してもおかしくない」と中国の経済状況を厳しく批判した。
また、同誌は国有銀行が抱える高いリスクを分散するために、中共政権は外国資本による国有銀行への株式投資を推進していることを挙げた。それによると、米国銀行や、シンガポールの国有持株会社テマセク・ボリテクニク社(Temasek Polytechnic社)、ロイヤルバンク オブ スコットランド(Royal Bank of Scotland)などの外国金融機関は、相次ぎ中国建設銀行、中国銀行、中国工商銀行の株式を大量購入したという。
しかし、外資は中国銀行が高い比率の不良債権を抱えていることを承知しているのに、なぜあえて資金を投入したのであろう。専門家は2つの理由があるとみている。一つは、これらの企業は経済利益を期待すると同時に、2006年末からの金融市場の全面開放を狙って、中国への参入ルートを開拓するためだという。また、外資銀行はこれまでにすでに中国に上陸したのだが、一部の都市で支店を開設する程度に留まり、政策の制限が大きく立ちはだかっているもよう。