【大紀元日本1月13日】湖南省株洲市で、1月4日カドミウムの廃水が大量に湘江に流された。汚染の度合いについて、現地政府の報告が根底から食い違い、断水も実行されていない。沿岸の株洲市や、湘潭市、長沙市などの市民約60万人が有毒水道水を飲用しているという。
BBCの報道によると、株洲市霞湾港で汚染物処理施設からカドミウムの廃水が大量に湘江に流された。湖南省湘潭市の環境保護局は7日、最も重度汚染された溜池の水を分析した結果、カドミウムの濃度は安全基準の200倍を超え、8日さらに湘江の水を検査したが、カドミウムの含有量は基準の22-40倍に達していることが判明した。
一方、中国政府紙「中国日報」の英語版によれば、湖南省の環境保護局の官僚は「湘江の水のカドミウム含有量は国家基準の一、二倍であるだけ、人体に直接な被害を及ぼす心配がない」と公表した。ある政府関係者は「応急処置したため、家庭の飲用水はすでに安全基準に達した」と発言している。
湘潭市環境保護局の関係者によると、重金属汚染の中でカドミウムは2番目で、世界8大汚染物の1つでもあるという。水の中でイオンの状態となり、希釈しにくいため、湘江に蓄積されると、長期間に悪作用を及ぼす危険性がある。人体がカドミウムを長期過量摂取すると、腎機能障害を引き起こす可能性があり、骨のカルシウムが置換され、イタイイタイ病も患いやすくなる。
湘潭市の人民代表・王国祥氏は、今回の汚染問題について、湖南省の環境保護局が問題を長期放置する責任があると指摘した。それによると、去年の5月湘潭市は、湘江上流に位置する株洲市によるカドミウム汚染が近年深刻化になっている事実を上級部門の湖南省環境保護局に報告したが、まったく問題が改善されなかったという。
カドミウム汚染が確認された後、湘潭市政府は、経済や生産活動などに深刻な影響を与えるとの理由で、断水しないことを決定したという。
事故後、問題の発端である株洲市の各政府部門は、取材を堅く拒否し、事故原因や責任などについても、様々な異なる説明がある。
今月始めにも、河南省鞏義市で発電所から約12トンの重油が漏洩、内の6トン支流に沿って黄河へ流れた事故が発生したばかり(1月9日報道済みhttp://www.epochtimes.jp/jp/2006/01/html/d50476.html)。去年11月から黒龍江省などの各地で有毒物質による河川の重度汚染が相次ぎ発生した。
中共政権の機関紙・「中国青年報」の報道によると、工業廃棄物の違法排出が適切に監督、処罰されず、国民生活の水源となる七大河川が全部重度汚染され、都市部の水域の汚染率が90%に達し、農業用水としてすら不適格な水源が数多く存在するという。
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