豪州:人種間衝突が歯止め利かず

2005/12/15
更新: 2005/12/15

【大紀元日本12月15日】シドニー南部のクラヌラ・ビーチで11日に発生した人種間衝突が収まらず、白人住民と中東系移民の暴力衝突は続いている。ニュー・サウスウェルス州の議員らはクリスマス休暇を取り消し、15日に臨時会議を開き、衝突の鎮静化に対策を講じる予定。衝突はすでに他の2つの州まで拡大したという。

オーストラリアの政府職員によると、シドニーの西部で発生した教会の放火事件や、小学校で行われたミサに起きた発砲事件は白人住民と中東系移民の衝突に関係する見方を示した。

12月14日、オーベン市イスラム教センター付近のカトリック教会が放火され、30人の消防士による消火は2時間でようやく鎮火した。(AFP/Getty Images)

ニュー・サウスウェルス州警視庁長は、今回の放火事件は白人主義を唱える者が扇動したものと述べ、「まるでヒトラーが率いるナチスの暴力行動のようだ」と非難した。

ニュー・サウスウェルス州上院の中国系議員・黄肇強(ファン・ツァウ・チァン)氏は、人種差別主義者の介入により、今回の事件は単なる一般的な若者の派閥抗争から人種間の抗争に発展し、衝突事件を厳粛に受け止めるよう呼び掛けた。

衝突が収まらない中、携帯電話を通じて今週末の報復行動に対する呼びかけが始まった情報もある。シドニーのイスラム教関連団体は、中東系移民に対して、週末に子供を外出させないよう呼び掛けた。