【大紀元日本11月17日】中国外交部の劉建超副報道局長は15日、中国共産党の故胡耀邦元総書記の生誕90周年式典を北京で開催する決定を記者会見で発表した。中国共産党幹部も参加する今回の記念活動では、1987年の民主化運動の中で批判され失脚した胡耀邦氏の名誉回復の可能性と、胡耀邦氏の生誕記念を決定した胡錦濤・共産党総書記の狙いがマスコミの注目を集めている。
中国の政治改革を試み、1987年の民主化運動の中で批判され失脚した中国共産党の改革派指導者・故胡耀邦元総書記は、1989年の天安門事件の導火線となったため、それ以降彼に関する全ての記念活動が厳しく禁止され、その死後16年間、いかなる記念活動も再評価の動きもなかった。
今年10月に出版された『開放雑誌』によると、今年11月に胡氏の生誕を記念するという胡錦濤・中国共産党総書記の考えは、すでに禁句となった天安門事件が再び公で討論されることを恐れる中国共産党政治局常任委員の温家宝、黄菊、羅干及び李長春などの反発を買う結果となった。
報道では、胡錦濤総書記は胡氏の記念活動を通じて自分の統治行為の合法性を強め、日増しに拡大する社会問題を緩和させ、胡錦濤自身に対する強硬なイメージを改善し、かつて胡耀邦氏を最も支持していた共産党青年団の支持を獲得することで、今日の政治の基礎を強化する狙いがあると指摘する。
だが一方、中国共産党がすべての報道機関を完全に支配している現状では、胡耀邦氏の記念式典は無論、たとえ名誉回復されたとしても現在の政治改革に大きな影響を及ぼすことはできないとの見方も強い。そもそも2002年に執政して以来、胡錦濤氏は常に政治改革を拒絶し続け、新聞報道をさらに厳しく統制し、法曹界や宗教団体を中国共産党の独裁を脅かす存在と見なしてきた。今回の記念式典の目的は、ただ7200万人の共産党青年団員の支持を獲得することによって自分の統治を強化させるためだけにすぎず、政治改革の考えは全く見られない。
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