【大紀元日本9月27日】中国全土で42万人(8月末現在)もの高等教育機関の新入生が学費を負担できないことがこのほどわかった。このうち、25万人の新入生については、学校に登録に行くための交通費や基本的な生活用品でさえも負担が困難である。
「動向」誌9月号における田穂氏の文章によると、内地の高等教育機関が今年本科、専科の学生は合計で256万人の募集を予定したが、実際に募集したのは271万人、軍事学校が募集したのは5万8千人であった。
8月末、国務院、教育部が各地から得た情報によると、42万5千人の新入生の家庭が、大学に係る費用を負担する能力が全くなく、このうち、25万人の新入生は、学校に登録に行くための交通費や基本的な生活用品でさえも負担が困難である。
教育部の統計によると、経済の困難で学業を断念せざるを得なくなった学生は、2003年24115人、2004年18773人で、その大多数は農村、放牧地の家庭の学生であった。
近年、政府から振り当てられる教育経費は毎年増加しているが、2004年、2005になっても一人当たりの経費は、わずか192元~215元である。この数字は、190余りの国家のうちで、154位~161位となっており、アジアにおいては、インド、スリランカ、ベトナム、カンボジアよりも劣っている。
教育部の調査によると、国からの一人当たり192元~215元の教育経費は、都市部の教育機関では、160元~175元となるが、農村の教育機関になると、わずか20元程度しか残っていない。教育部が明らかにしたところによると、2004年の秋より教育扶助ローンの新政策を実施しているが、現在に至っても11の省(区)、すなわち江西、海南、黒龍江、内蒙古、青海、寧夏、甘粛、新疆、山西、重慶においては全く実施されていない。
国務院弁公庁が発表したところによると、今年合格した大学生で、学費を負担する能力のない者に係る概況(一部)は以下のようになる(被録取人数:合格者の数、無交費人数:学費を負担できない者の数)。
今年合格した大学生で、学費を負担する能力のない者に係る概況(国務院弁公庁)
現在、内地本科生の一年の学費、書籍及び基本生活費は12000元~15000元である。一方、都市部の労働者の平均年収は9600元~22000元で、農村における農民の平均年収は、850元~3500元である。