ハーバード大学、中国官僚対象の報道講習プログラム中止

2005/07/13
更新: 2005/07/13

【大紀元日本7月13日】ハーバード大学のニーマン財団は2008年北京オリンピックに向けて、中国政府と提携して40人の中国官僚対象に報道講習プログラムを6月中に計画していたが、同財団の学友らの猛反対を受け、財団の責任者ジャイルズ氏は5月12日、この計画を中止すると発表した。「ニーマン財団が報道の自由圧制する中国政府に協力することに対し、学友らが憂慮を示したことは、十分理解できる」とコメントした。

1938年に設立されたニーマン財団、アメリカで最も有名な、報道人を育成する機構である。

香港紙「林檎日報」によると、このプログラムを聞いた後、ニーマン学友であり、ニューヨーク・タイムズ紙の前編集長ユージン・ロバーツ氏とロサンゼルス・タイムズ紙の前ワシントン地区責任者ジャック・ネルソン氏は、連名で反対の嘆願書を公開した。嘆願書はすぐに120人の学友の署名声援を得たという。

学友でアメリカ全国公共放送ラジオ(National Public Radio)のある記者は、どうしてメディアを圧制する中国政府に、ニーマン財団が手を貸すのかと責めた。

中国政府の異見者、ニーマン・フェローの劉賓雁氏、王軍涛氏はこのプログラムに反対する意見を送った。 王氏は、中国の報道の現状を非常に憂慮しており、「確かに、中国の経済変化は顕著だが、これらの発展は中国メディアとはまったく無関係。中国官僚にこのプログラムを実施しても、この状況を打破できない。彼らはメディアの自由は、中国政府の敵であることやその意図に沿って常に虚偽の報道するしかないことを十分に認識している。ニーマン財団はこのような中国官僚を対象に報道講習を実施すべきではない」と述べた。

劉賓雁氏は、ニーマン学友宛の手紙の中で「1989年の中国政府による天安門大虐殺を批判したため、17年間も海外での放浪生活を強いられた。2002年9月に、直腸がんと診断されたため、中国国内に残された家族に、最後に一目逢おうと考え、中国政府に帰国申請したが、拒否された」と自分の体験を述べている。

劉氏の体験について、ニーマン・フェローで、英文誌「中国法律ダイジェスト」の編集・陳小平氏は、「ニーマン財団が育てた人材でさえ、中国政府に排除されている。この講習プログラムにはなんの意味があるのでしょうか」と指摘した。

ニーマン・フェローの多くは「報道の自由を圧制する中国政府の官僚に報道について教えることは、中国政府に欧米メディアの運策システムを教え、その知識を利用し、もっと上手に民主社会のマスコミをコントロールするようになるだろう」と考えているようだ。