【大紀元日本5月10日】国際空手道連盟極真会(松井章圭館長)は、世界約130カ国に支部を置く世界最大規模の単一流派団体。中国上海の大学では、体育の授業として極真空手を導入する話も出ているという。世界に認められた極真空手の松井館長がこのほど大紀元記者によるインタビューに応じ、空手道における修練について語った。
記者: 極真空手の修練とはなにか。
館長: 極真空手の創始者・大山倍達先生は「原点は親孝行」と言われた。「親孝行」は自分自身の存在を肯定することであり、そこからすべての心身鍛練は始まる。親は、その象徴的な存在だが、それは、友人や家族などの自分を取り巻く人々であるとも言える。そうした人々に対する感謝の念を忘れないことを原点としている。
記者: 極真空手の修と練の関係について。
館長: 修練は一体でなければならない。心身一体でバランス良く鍛えなければならない。ただ肉体や技を鍛えるだけで、心が発達しなければ、本当に強くならない。何のために、強くなるのか、強い人とはどうあるべきか、そうしたことを考えなければ、動物的な強さだけになる。武術は、原始の時代に生きるための闘争から生まれたが、生きるとはどういうことかという英知を持たないとただの暴力になってしまう。
記者: 空手を始めようとする人は、空手の強さにあこがれているが。
館長: 空手は、闘争の術を学ぶことだが、戦わないための戦う技術を学ぶこと。
強くなりたい欲求はどこからくるのか。弱い自分を自覚したときに強くなりたいと思うのではないか。従って、どんなふうに強くなりたいのか、しっかりと考えることが大切。ほかの武術も同じだと思う。
記者: 中国では、大学の体育授業にも取り入れられる話もでていることについてはどうか。
館長: まだ具体的な作業に入っていないが、是非とも進めていきたい。
記者: 全世界の大紀元読者に対してメッセージを。
館長: 我々の武道団体の活動も世界平和に寄与している。親孝行する人間が社会に奉仕し、国家に忠誠を尽くす、愛国心や郷土愛を持つものが人種や民族、宗教の違いを超越できると考えている。
(東京=張本真)