【大紀元日本12月5日】中国河南省内でこのほど、複数の信用保証会社が相次ぎ倒産したのを受け、投資家たちは、政府の監督責任を問うために大規模な抗議を行った。連日、道路や鉄道駅、政府庁舎、列車を包囲、封鎖している。警官隊が出動し、逮捕者も出ている。
11月下旬、同省平頂山市の億通投資担保公司が突然倒産した。同社が募った一般市民からの出資金総額はおよそ6億元(約117億円)で、全額が戻らない。それを皮切りに、省内の帝峰担保公司、謄飛集団投資理財有限公司など6社の信用保証会社も立て続けに破産した。
これを受け、千人あまりの投資家が毎日抗議を続けている。中には長距離列車の線路に立ち入る人もいる。3、4人の逮捕者が出ているという。
道路や、政府庁舎前で抗議する投資家たち (ネット写真)
道路や、政府庁舎前で抗議する投資家たち (ネット写真)
大紀元の取材に応じた億通投資担保公司に投資した男性は「地元メディアに情報を持ち込んでも、『政府からは報道禁止令が出ている』と報道してくれない。地元政府も介入する様子がまったくない」と肩を落としている。
男性はすべての貯金50万元(約975万円)を同社に出資し、親戚友人も数万元から1千万元(約数十万~数億円)の財産をつぎ込んだという。
「これらの会社は政府から金融取引の経営許可を受けている。今となって『責任がない』と監督・管理責任を逃れようとしているが、通用しない。何か裏の癒着があったかもしれない」と男性は怒りを隠せない様子だった。
今回の出来事は、中国経済を支えている、300兆円規模ともいわれているシャドーバンキングの債務不履行(デフォルト)危機の一角が露呈したに過ぎない。中国では多くの中小企業や地方政府は規制が厳しい銀行からの融資を受けられないため、シャドーバンキング(影の銀行)から金を借りている。シャドーバンキングもまた高利回りをうたって一般市民から資金を募っている。多くの専門家は、半分程度(150兆円)が債務不履行になる可能性が高いとみており、社会不安を引き起こし、中国経済を崩壊に導く引き金だとの懸念が高まっている。