中国の中小銀行が1年で670行減少 景気低迷で再編加速

2026/08/19
更新: 2026/08/19

2025年、中国の農村部にある中小銀行は670行減少し、減少率は18.6%に達した。業界関係者は、近年の景気低迷で金融リスクが一気に表面化し、監督当局が中小銀行の合併・再編を進めていると指摘している。

中国共産党(中共)国家金融監督管理総局が公表した最新データによると、農村部の中小銀行は2024年末の3603行から2025年末には2933行に減少した。1年間で670行減り、減少率は18.6%となった。

さらに、貴州省では農村部の中小金融機関27社の解散を承認した。澎湃新聞が8月18日に報じたところによると、六盤水市、黔西南プイ族ミャオ族自治州、畢節市の3地域にある計27社の解散を承認した。債権・債務はそれぞれ、貴州六盤水農村商業銀行、貴州黔西南農村商業銀行、畢節農村商業銀行が引き継ぐ。

「第一財経」は8月18日、2025年は中小銀行の再編が加速した年となり、村鎮銀行(農村向けの小規模金融機関)の「大撤退」が進んだと報じた。ほぼ毎月のように、複数の村鎮銀行が吸収合併する動きを伝えている。

同紙は南開大学金融学教授の田利輝氏の分析を引用した。田氏は、かつて一部地域では行政主導で金融機関を設立し、実体経済の実際の需要からかけ離れる傾向があったとし、現在の銀行再編はこうした問題を是正する必然的な動きだとした。

天鈞政経の研究員、宋維駿氏は以前、大紀元に対し、「中小銀行は地方経済の毛細血管だ。中小銀行が倒れる状況は、何千、何万もの中小企業が直面する苦境を反映している。銀行の現状は、中国経済の成長モデルの行き詰まりと、政治的圧力でゆがんだ金融システムの実態を映している」と分析している。

中共官製メディアの報道によると、2020年時点で中国には4千行を超える中小銀行があり、銀行数全体の99%を占めていた。総資産では約4分の1を占めていた。

中小銀行は地元企業の経営状況や信用を把握しやすく、中小企業に柔軟な融資を行えるため、安定した顧客を確保しやすい。

一方、景気が悪化して中小企業の経営が行き詰まり、操業停止や倒産が増えると、中小銀行では不良債権比率が上昇し、融資業務も縮小する。経営問題が表面化する銀行も出てくる。

また、景気全体が低迷するなか、国有大手銀行が融資条件を徐々に緩和していることも、中小銀行への圧力を強めている。中小銀行は中小企業の倒産による圧力に直面する一方、大手銀行との競争激化にもさらされている。

こうしたリスクを受け、中共当局も金融リスクの軽減を理由に、中小銀行の統合を進めている。

今後の中小銀行をめぐる状況について、田利輝氏は、銀行の閉鎖が続くとの見方を示す一方、今後は単純な数の削減から、経営・管理能力の向上へ重点が移ると指摘している。

劉毅