トランプ米大統領「日本が好き」多くの親日エピソード 石破首相と7日初会談 

2025/02/01
更新: 2025/02/04

トランプ米大統領は1月31日、石破茂首相が2月7日に訪米し、ワシントンで初の日米首脳会談を実施すると正式に発表した。ホワイトハウス前で記者団に対し「日本にとても敬意を抱いている。日本が好きだ」と述べ、会談を前に親日姿勢を強調した。両氏の間に「ブロマンス」外交が成立するのか注目が集まっている。

トランプ氏は「日本の首相(石破氏)が来週来る」と明言し、具体的な協議内容には触れなかったものの「会談を楽しみにしている」と期待感を示した。日本側からの会談要請を受けて実現したもので、両政府が日程調整を進めていたことが複数の政府関係者により確認されている。

過去の日米関係にも言及し「安倍晋三元首相は親しい友人だった。彼に起きたことは悲しい出来事だった」と2022年の銃撃事件に触れ、安倍氏との交流を回想。石破首相は今回の会談でトランプ氏との信頼関係構築を目指し、日米同盟のさらなる強化を図る方針と伝えられている。

今回の首脳会談では、半導体やエネルギー分野における貿易問題や安全保障協力が主要議題となる見通し。トランプ氏は31日の会見で「カナダ、メキシコ、中国は関税を阻止できない」と述べ、特定品目への関税導入を示唆しており、今後の交渉行方に注目が集まっている。

トランプ氏の親日エピソードに見る日米関係

トランプ米大統領は、これまで数々の親日的な言動で日米関係の強化をアピールしてきた。2017年11月の初訪日時、安倍晋三元首相と共にゴルフを楽しみ、コイの餌付けや相撲観戦を通じて日本文化に触れたことが知られている。この時、両国国技館で行われた大相撲夏場所では「トランプ杯」を授与し、約5,000人の観客の前で日米友好を強調した。

2019年5月の国賓訪問では、自衛隊護衛艦「かが」に乗艦するという異例の措置を取った。安倍元首相とのゴルフラウンド中に撮影した「自撮り写真」がSNSで拡散され、「宝物のような同盟」と呼ぶなど、両首脳の親密な関係を演出。訪日スケジュールには相撲観戦や炉端焼き店での夕食会も組み込まれ、日本の大衆文化への関心を示した。

2024年4月の麻生太郎副総裁との会談では、通訳を介さず英語で「日本のことは好きだ」と直接伝え、防衛費増額を称賛するなど政策面での連携を確認。2025年2月に予定される石破茂首相との初会談を前に「日本をとても尊敬している」と発言し、個人的信頼関係構築への意欲を表明している。

貿易問題では「日本企業は米企業の市場シェアを奪っていない」と述べ、自動車関税導入を見送るなど、実利を重視した柔軟な対応も特徴だ。側近は「トランプ氏は在任中に日本を好きになった」と分析し、安全保障から文化交流まで多面的な関係深化を推進してきた。

こうした一連のエピソードは、トランプ氏が個人的な親近感と戦略的利益を組み合わせながら、日米同盟の強化を図ってきたことを示している。日本側も首脳間の「ブロマンス」外交を活用し、国際情勢の激動に対応する独自の対米外交を展開してきた。

「ブロマンス」外交

「ブロマンス」外交とは、国家指導者同士が個人的な信頼関係や親密な交流を強調し、外交関係を強化する手法を指す。男性同士の深い友情を意味する「ブロマンス」(brother+romance)という用語が転用され、国際政治では「首脳間の個人的な親和性を戦略的に活用する外交スタイル」として定着した。

エポックタイムズ記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。