中国で猛威「医者が病名を告げない謎の肺炎」 感染について、口止めされる市民も

2023/12/05
更新: 2023/12/05

この1か月、中国では、医師から本当の病名を伝えられない「謎の肺炎」の流行が著しくなっている。なかでも、国内で最も医療レベルが高いとされる首都・北京での感染状況が、最も深刻であるとされる。

感染について「口止め」される市民

NTD新唐人テレビの取材に応じた北京市民は、病院の混雑ぶりについて次のように明かした。

「私の子供も感染した。それからもう1か月経つが、病院は依然として混雑している。収束するどころか、むしろどんどん患者は増えているようだ。本来ならば休憩や食事用のスペースだった児童医院の地下1階は、すでにフロア全てが子供患者に点滴をする場所になった」

また、別の北京市民は、NTDの取材に対し「ウイルスの話は国家機密になっている。一部の地方ではPCR検査を始めた」と話している。

「子供から感染症をうつされて、私も何日間か病に倒れた。うちの子の場合、感染したら歩けないほどになった。とても学校どころではない。今、子供の学級のSNSグループチャット内でも、感染症の話をしてはならないとされている。何かあるときは、担任と個別に話さなければならない。ウイルスの話は、国家機密でさえあるからだ。今では、多くの大人も感染している。一部の地方では、再びPCR検査を始めている」

 

感染症の爆発で大混雑する中国の病院。(NTD新唐人テレビの報道番組よりスクリーンショット)

 

「本当は新型コロナだろう」

この中国で猛威を振るう「謎の肺炎」とされている感染症について、中共当局は、これを新型コロナ(およびその変異株)とは認めず「マイコプラズマ肺炎(中国語:支原体肺炎)」あるいは通常のA型インフルエンザであると主張している。

現場の医師も、当局の主張に合わせた診断結果しか告げないし、また告げられないため、かえって患者側の疑いは深まるばかりだ。

これに対して、民間では「本当は新型コロナに違いない。当局が、また呼び名を変えただけだ」と疑う声は以前から根強い。

当然ながら、事実に基づく正確な病名や診断結果が患者に告げられなければ、医療として本来の機能と責任を果たしたことにはならない。それは、言わば「医療の死」を意味するものだからだ。

患者が多すぎて、病院が飽和状態なだけではない。そうした「もう一つの意味」つまり「医の倫理」という面においても、今の中国の病院では実質的に「医療崩壊」が起きていることは確実である。

 

(混雑する中国の病院内の様子。「押すな」と叫ぶ男性の声が収められている。SNS投稿動画)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。