7月24日、習近平総書記が政治局会議を主催し、再度内需の拡大、経済の活性化に注力する方針を強調した。専門家は、中国の地方財政が危機的状況に陥っている中で、この会議は単なる口先だけのものであったと指摘した。
最近、中国共産党(中共)当局は連続して文書を発表し、経済の活性化を図ると宣言している。19日には11の文書を発表し、民間経済への支援を強化すると表明。その翌日には環境改善に向けた31の措置を公表した。
24日の会議で、中共は珍しく「中国経済は新たな困難と課題に直面している。内需の不足、一部企業の経営難が主な原因だ」と認めた。
米国在住のエコノミスト、デイビー・ジュン・ファン(Davy Jun Huang)氏は、「習氏は世論誘導をしている。中国の経済的背景を忘れてはいけない。現在、各省や市、区の財政収入が大幅に、断崖のように減少している。多くの地域が罰金を科して税収を増やしているところだ。この会議で内需を刺激するという話が多く言及されたのは、何か裏があるかもしれない」と語った。
同氏は中国の社会保障制度が改善されなければ、中共のいわゆる内需拡大は空言にすぎないと分析している。
「内需の問題として、中共は一般市民の社会保障福祉を向上させていない。なぜ欧米の国民はあえて消費するのか? それは比較的良好な社会保障があるからだ。たとえお金がなくても、飢え死にすることはなく、医療費が払えず治療を受けられないこともない。これが肝心な所だ。社会保障がなければ、国民はお金があっても消費に躊躇する」とファン氏が指摘した。
北京市民の翟さんは、これらの政策を中共当局が民間企業に仕掛けた罠ではないかと疑っている。
「彼ら(当局)は危機を感じているが、本当に現在の経営状況を変えたいのだろうか? もしそれが本当に民間経済、あるいは自由経済を発展させるのなら、民間企業はきっと国有企業よりもはるかに優れているだろう。中共には真に経済規制を緩和する勇気がない。これも罠だと思う。彼らは民間企業の持っているお金を全部だまし取ろうとしているのだろう」と述べた。
翟さんは中共の政策を信用していない。「中共はいつも言ったことを守らず、決定したことを言わない。人々は現在、様子を見ているだけだ。本当に改革を望むのであれば、まずは全国民に対して、無料医療を実施し、全国民が学校に通え、病気を治療でき、老後を安心して送れ、家を買うことができるようにすべきだ」と語った。
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