元米大統領副補佐官「台湾統一は中国の世界支配への第一歩」日米関与が抑止力

2022/10/14
更新: 2022/10/12

16日に開催される中国共産党第20回全国代表大会で、3期目が確実視される習近平国家主席の今後の台湾政策が注目される。米国の元大統領副補佐官マシュー・ポッティンジャー氏は「台湾統一は中国共産党の世界支配への第一歩になる」と述べ、日米など国際社会が台湾防衛を明確にすることで台湾有事を阻止することができると訴えた。10日付のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

ポッティンジャー氏は、米シンクタンク・ランド研究所が開催した「日米同盟から見た台湾海峡」と題するオンラインセミナーで発言した。中国共産党の長期的な野望について、アジア太平洋地域における米国の影響力を排除するだけでなく、国際秩序を支配することにあると指摘した。

同氏は、台湾有事を阻止するためには、米国と日本が「台湾の安全保障に関してより明確な約束」をし、「中国の台湾侵攻に対する自信を失わせる」ことが重要だと述べた。また、台湾も主権を守る意志を示すことが中国の武力行使を抑止する決定的な要素になると付け加えた。

バイデン米大統領は9月、米テレビ番組で台湾有事における米軍の軍事的関与を明言した。米政府は長年、台湾有事に際しての対応は明確にしない「曖昧戦略」を取っているが、バイデン氏はたびたび関与を公言してきた。

日本は2016年に施行された安全保障関連法に基づき、「重要影響事態」などが認定されれば自衛隊が補給など後方支援を行うことになっているが、直接的な関与への言及はない。

ポッティンジャー氏は「戦争は偶発的なものではない」「しばしば侵略者が自分の力を過剰評価することで起こる」と述べた。このほか、台湾は新兵に一層包括的な軍事訓練を実施すべきだと提言した。

日米の台湾関与が抑止力に

セミナーでは、ランド研究所国際・国家安全保障問題上級研究員のコルテス・クーパー氏も国際戦略上の台湾の重要性に言及した。その理由として、台湾は第一列島線の中央に位置し、重要な国際航路をまたいでいるほか、国際社会が台湾の半導体産業に大きく依存していることをあげた。

また、中国共産党の権威主義的な支配が一層と増している香港を例に触れ、日米が台湾に関する明確な戦略を採用することが「中国の暴挙を効果的に抑止できる」と述べた。

東京大学の松田康博教授も、米国には台湾を守る責任があると指摘。中国が台湾を統一したら、日本は米国の安全保障へのコミットメントと防衛能力に疑念を抱くと付け加えた。

米国をはじめ国際関係担当。