8日投開票の英下院(定数650)総選挙は、与党・保守党が第一党にとどまったものの、318議席で過半数(326)割れの結果となった。それを受け、テリーザ・メイ首相が9日、北アイルランドの保守政党民主統一党(DUP)の協力を得たうえで続投すると表明した。
開票の結果、与党・保守党がこれまでの330議席から12議席を減らした。最大野党の労働党が262議席、他野党はスコットランド民族党が35議席、自由民主党が12議席、民主統一党が10議席など。
政権基盤を固めるために前倒し総選挙を行ったメイ首相の責任を問う声も高まるなか、メイ首相はロンドン付近のメイデンヘッド(Maidenhead)選挙区で当選確定との結果をうけた演説を行い、「現在、我が国に何よりも必要なのは安定の期間だ」と述べ、辞任しない意向を固めた。
8日付きBBCによると、民主統一党の幹部が与党との連立政権成立向けの協議に前向きな姿勢を示したという。9日朝、メイ首相はバッキンガム宮殿を訪れ、新政権を樹立する許可を求めにエリザベス女王に謁見した。ブルームバーグによると、首相は9日中に閣僚を指名する計画だ。
欧州連合(EU)離脱交渉は19日に予定されていたが、遅れると見られている。ロイター通信の取材に応じたEU当局者は、交渉期限は2019年3月と時間は残されているものの、今回の選挙で英国与党が過半数割れしたことから、英国とのEU離脱交渉が順調に進むかは不透明となるとの認識を示した。
(翻訳編集・王君宜)
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