企業の社会的活動(CSR活動)への取り組みが活発化する中、海外のシンクタンクが実施した最新の調査では、株主や従業員、顧客の多くが企業の社会的・政治的活動に賛成していないことが分かった。
アメリカン航空(AA)が年金基金を環境・社会・企業統治(ESG)基金に投資したとしてパイロットが起こした集団訴訟は、テキサス州の地方裁判所が訴訟却下請求を却下したため、6月24日に審理が行われる予定だ。
インデックス・ファンド大手のバンガードは、株主総会において提出された、環境、社会、ガバナンス(ESG)関連の決議案への支持を減らし、2023年の全米の株主総会でそのような議案を支持するのはわずか2%にとどまると発表した。
環境、社会、コーポレートガバナンス(ESG)イニシアチブは、当初から政治的かつ党派的なものだったが、米国の約30州で、これらの取り組みを抑制するための立法措置が進められているため、ESGに対する企業の熱意が萎もうとしている。最近の調査によると、ESGやDEI(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)と重複する呼称の「企業の社会的影響」チームのほとんどは5人以下のメンバーであることが多く、経営幹部からの賛同も少ないため、より多くのストレスを感じるようになっている。
ESGとDEIの多くの側面は、ビジネスと経済のファンダメンタルズを無視し、ファンダメンタルズを独自の教義に置き換える。ESGやDEIスコアを監視する投資者たちは、S&Pやムーディーズといった信用格付け機関と同等の権力を求めている。
ラリー・フィンク氏がESGを強制に実施する理由は単純で、民主主義はビジネスに不利だであるからだ。ツイッターに投稿されたブルームバーグのビデオで、フィンク氏は「市場は不確実性を好まない。実際に市場は、全体主義政府を好む」と語った。
保守派によれば、ターゲット(小売大手)やアンハイザー・ブッシュ(ビール製造会社)のような「ウォーク(Woke)」した企業に対する消費者のボイコットは、米国の企業における人種、性別、環境への関心活動の逆転につながる鍵となっている。
米国の環境保護庁(EPA)が提案した自動車とトラックを対象とする排出基準に、自動車業界やワシントンが眉をひそめている。