米国の輸入玩具の8割近くが中国製 背後の利益構造を解明

2026/10/16
更新: 2026/10/16

クリスマス商戦が近づく中、米国の小売業者は商品の確保を急いでいる。中国は世界最大の玩具生産国で、米国市場で販売される玩具の大部分を製造している。小売価格30ドルの玩具について、中国の工場での製造から海上輸送、関税の支払い、店頭に並ぶまでの各段階で、費用と収入がどのように配分されるかを見ると、米中貿易の背後にある利益構造が浮かび上がる。

米国で販売される子ども向け玩具の多くは、底面に同じ「中国製」の表示がある。BBCニュースは10月15日、米政府の統計を引用し、2024年の米国の輸入玩具のうち、8割近い78.3%が中国からのもので、輸入額は98億ドルに達したと報じた。

クリスマスが近づき、米国やその他の地域の玩具業界は、年間で最も忙しい時期を迎えようとしている。

インターネット通販大手から小規模な実店舗まで、小売業者は年末商戦のピークに備えている。以下では、玩具が中国の工場から米国へ運ばれる過程と、資金の流れを見ていく。

中国の工場が受け取るのは小売価格の約2割

中国南部に位置し、香港に隣接する広東省は、中国の玩具製造業の中心地だ。

東莞市の玩具工場Mihoxでは、作業員が工場内で鋼製の金型からプラスチック製の玩具を取り出し、塗装に向けて箱に詰めている。同社によると、従業員は800人以上で、米国市場向けに年間約5500万個の玩具を生産している。米国向け事業は、同社の事業全体の半分を占める。

玩具はそれぞれ、米国の玩具会社などの顧客が設計し、工場が試作品と金型を製作する。その金型を使って、プラスチック部品やその他の部品を生産する。

Mihoxの営業チームのメンバー、メラニー・ワン氏によると、工場が受け取る収入は通常、玩具の小売価格の約20%だ。

米国で30ドルで販売される玩具の場合、中国の工場が受け取る製造費は約6ドルとなる。この金額で、プラスチックなどの原材料費、作業員の賃金、生産費用、工場の利益を賄う必要がある。

米玩具会社ベーシック・ファンのジェイ・フォアマン最高経営責任者(CEO)によると、中国の玩具工場の利益率は通常、約3~10%だ。小売価格30ドルの玩具を1個製造した場合、工場の利益は18~60セントとなる。

作業員の賃金については、東莞市が9月から適用しているフルタイム労働者の最低月額賃金は2300元で、約324ドルに相当する。一般作業員の総月収は、多くの場合4500~6500元(634~915ドル)だ。

中国の玩具工場。資料写真(Kevin Frayer/Getty Images)

ベトナムの平均賃金は中国の約半分だが、香港玩具製造業者協会のサムソン・コー会長によると、同協会の会員企業のうち、生産を中国国外へ移した企業は1割未満で、その多くは顧客の要請に応じたものだ。

同氏は、その理由について、1980年代に香港やその他の海外企業の多くが、中国本土の安い土地と労働力に引き付けられて工場を移したため、生産網と供給網全体がすでに十分に成熟していると説明した。

玩具の製造には、プラスチック成形、電子部品の取り付け、縫製、最終組み立てなど、多くの工程があると指摘。広東省には関連工場が近接して集まり、工程間の調整を行いやすいため、中国の玩具供給網は今も競争力を保っているとした。

海上輸送費

玩具は生産を終えると、通常はトラックで港へ運ばれ、船に積まれて輸出される。深セン港は、広東省の重要な貨物港の1つだ。

香港の物流会社フレイトアミーゴの共同創業者、アイビー・ツェ氏によると、貨物船で深センから米西海岸へ向かうには約15日、東海岸へは25~30日かかる。今年のクリスマス商戦に間に合わせるため、米国市場向けの玩具は8~9月に中国から出荷された。

工場から米国までの輸送費は通常、玩具の製造費の約10%を占める。そのため、製造費6ドルの玩具を米国へ運ぶ費用は約60セントとなる。

米国の関税は輸入業者が支払う

現在、玩具が米国に到着すると、米税関・国境警備局(CBP)に関税を支払う必要がある。

トランプ米大統領と中国共産党(中共)党首の習近平が9月に会談した後、両国政府は玩具関連の関税引き下げを提案した。ただ、新たな税率と発効日はまだ決まっておらず、米国はまず意見公募を行う必要がある。

現在、中国製玩具に適用される基本関税率は12.5%で、一部の玩具にはさらに高い税率が適用される可能性がある。

この関税は米国での小売価格ではなく、玩具の製造費に基づいて課される。製造費6ドルの玩具の場合、12.5%の関税は約75セントとなる。

この費用は米国の輸入業者が支払う。米教育玩具会社ラーニング・リソーシズのリック・ウォルデンバーグCEOは、同社の製品の約半分を中国から輸入しており、関税費用は全額、同社が負担していると述べた。

したがって、小売価格30ドルの玩具は、製造費6ドル、運賃60セント、関税75セントで、関連費用の合計が7.35ドルとなる。

売上30ドルの大部分は米国内に残る

フロリダ州に本社を置く玩具会社ベーシック・ファンのフォアマンCEOは、米国での玩具販売による収入の大部分は、米国の運送会社、玩具ブランド企業、小売業者などを通じ、米国内に残ると指摘した。販売価格30ドルの玩具を米国へ輸送し、輸入関税を支払うまでの費用7.35ドルを差し引くと、残る22.65ドル、すなわち小売価格の75.5%が米国内に残る。

このうち米国内の配送費を2.65ドルと仮定すると、それを差し引いた残りの収入は約20ドルとなる。玩具会社と小売業者でおおむね折半し、それぞれ約10ドルを受け取ることができる。

玩具会社と小売業者は、さらに従業員の給与、保管費、マーケティング費、店舗の賃料、その他の運営費を負担しなければならない。

利益率は企業秘密に当たるため、通常は公表されない。ただ、業界調査によると、玩具会社と小売業者が通常得る利益は、それぞれ25%、金額にして2.50ドルだ。

王蘭