関税政策は大統領の権限か 米最高裁が判断示さず再延期

2026/01/16
更新: 2026/01/16

米最高裁判所は1月14日、「トランプ政権の関税案件」の判決公表を再び延期し、明確な日程を示さなかった。市場の関心が急速に高まる中、この訴訟の焦点は、大統領が関税政策を実施する法的権限を持つかどうかという点にある。専門家は、度重なる延期は裁判官の間で判断が分かれている可能性を示していると分析している。このことは、結果的にトランプ政権側に有利に働く可能性があるとみられる。最高裁は来週以降も審理を続け、意見を順次公表する見通しである。

14日、最高裁は次回の判決公表日を明示せず、判決内容の事前発表も行わなかった。これは9日に続くさらなる延期であり、市場と世論の注目が一層高まっている。

訴訟の核心となる争点は、トランプ政権が『国際緊急経済権限法』を根拠に、貿易赤字およびフェンタニルなどの麻薬密輸を「国家非常事態」とみなし、世界規模での関税政策を推進したことにある。連邦控訴裁判所は以前、この政策が大統領の権限範囲を超えていると判断していた。

専門家によると、最高裁が判決を繰り返し延期している背景には、法廷内部で意見が鋭く対立しており、司法の立場に微妙な変化が生じている可能性があるとされている。

最高裁がトランプ氏の世界関税政策を支持した場合、米国内の製造業や雇用、産業サプライチェーンの安全性が強化され、政府にとっても多額の税収をもたらすとみられる。また、「米国第一」政策をさらに推進する契機になる可能性もある。

元北京弁護士である頼建平氏は「共和党はこの問題で勢いを増し、現大統領の支持率をさらに押し上げることができる。そうなれば国民の支持が一層高まり、共和党とトランプ氏は内政・外交両面で政策をより積極的に進めやすくなる」と述べた。

一方、最高裁が不利な判決を下した場合、政府はすでに徴収した関税を返還しなければならず、その総額は現在推定で1500億ドル(約22兆5千億円)を超えるとされている。これは財政に深刻な負担を与える可能性がある。

最終判決は出ていないものの、専門家の中には「結果がどうであれ、トランプ政権側には関税収入と貿易保護策を維持する代替手段が残されている」と指摘する声もある。

時事評論家の藍述氏は「この問題は経済問題というより、国家安全保障上の課題である。米国の納税者は世界の安全を支えている。同時に、米国は世界最大の市場でもある。2024年の時点で、海外が保有する米国資産は米国が持つ海外資産を上回り、総額26兆ドル(約3900兆円)に達している。つまり、米国の納税者は世界の国々のために働いているようなものである。なぜなら、多くの国が実質的に米国の『雇い主』になっているからである。世界の国々が米国の納税者の雇い主であるならば、安全保障問題を誰が担うべきかは明らかである。安全を守るのは雇い主の側であり、雇われた側ではないはずである」と指摘した。

中国社会民主党主席の劉因全氏は「私は米国国民として、裁判官がトランプ氏およびそのチームに有利な判断を下すことを望んでいる。多くの米国国民も同じ思いを共有している。関税が増えれば、政府はその収入をもとに多くの事業を展開でき、国民の生活に還元される。国内における税負担の軽減にもつながり、その利点は誰の目にも明らかである」と述べた。