社会問題 採血などで「生物学的情報が収集される」と、いつ消されるかわからない?

中国で「献血したらお金あげるよ」、学生への献血勧誘に世論反発

2024/09/02
更新: 2024/09/02

経済不況の中国で、報酬を得るために血を売る若者が後を絶たない。今年1月、短期間(8か月間に16回)で売血(血漿)を繰り返した男性(19歳)が急死している。

そんななか、山西省にある献血ステーション(「山西省晋中市和順県双林血漿捐献中心」)は、200元(約4000円)の報酬を餌に、「2か月半の間に4回以上の献血(血漿)するよう」学生たちを勧誘していたことがわかった。

報酬は「学生補助金」という、聞こえの良い名目で呼ばれていた。

 

200元(約4000円)の報酬を餌に、学生たちに献血を勧誘した山西省にある献血ステーション(「山西省晋中市和順県双林血漿捐献中心」)(ネットより)

 

関連ニュースをめぐり、ネット上では「カネを餌にして単純な学生を騙して献血させるのは違法だ」「献血が頻繁だと健康被害もあるのに、カネで釣るなんて最低」とする非難が多く寄せられた。

このほか、「献血で子供たちの生物学的情報が収集され、万が一希有な血液型と判明したり、移植を待ち受ける人の条件とマッチングしてしまったら、その子は突然消されるかもしれない(臓器狩りに遭う)」といった懸念の声が広がり、世論から反発の声が広がっている。

中国では、一般市民から無償で提供された血液は、臨床目的にのみ使用でき、売買することは禁じられている。しかし、その実態は献血の管理が非常に混乱しており、一般市民を騙して献血させる違法行為や詐欺事件が。しばしば報告されている。

 

200元(約4000円)の報酬を餌に、学生たちに献血を勧誘した山西省にある献血ステーション(「山西省晋中市和順県双林血漿捐献中心」)の広告パネル。(ネットより)

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!