中国経済の悪化が深刻さを増し、各地で実店舗の急な倒産が相次いでいる。北京当局でさえ「大口チャージは慎重に」と警鐘を鳴らす状況となった。
こうした中、閉店が噂される店による悪質な「倒産前夜の恐慌商法」が横行し、「恐慌商法」とは、「ある店は近々つぶれる」という噂が流れ、そこで、
「潰れちゃったらチャージしたお金がパーになってしまうのではないか」
「買えるうちに少しでも買って残高を消費しないと」
という利用者の「パニック」を逆手に取り、高値の商品を売りつけるやり方である。
例えば3月末、江蘇省南通市のスーパーチェーン「蘇洪」が「閉店間近」という噂が広まった。
店側は、「いつ閉店するのか」「すでにチャージした買い物カードが払い戻し可能かどうか」といった最も肝心な問題には口を閉ざしている。
「閉店」のうわさがささやかれるなかで、訳が分からないまま、とにかく不安に駆られた利用者たちは、閉店する前に残高を使い切ろうと店に殺到した。
しかし、そこで目にするのは常軌を逸した高価格商品の数々だった。
(店内の様子、江蘇省南通市のスーパーチェーン「蘇洪」)
通常であれば、数百円のスイカが1個300元(約6千円)で売られていたのだ。とくべつ高級というわけでもない、「ただの」スイカだ。加えて、通常であれば千円もしないミニトマトが約3千円で販売されていた。
バカ高いだけではない、品数も極端に少なく、それでも「チャージしたお金がパーになるよりかはマシ」と利用客たちは不本意な買い物をさせられたのだ。
同様の現象は、山東省青島市の有名ベーカリーチェーン「皇家美孚」でも発生した。こちらでも閉店のうわさと共に、高値での販売が始まった。当然ながら、こちらにも利用客が殺到した。
こうした倒産の波は、地方都市の中小企業から全国に拡大しつつある。市民は一層買い物カードへの大口チャージや前払い契約への警戒を強めている。
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