16日の第20回党大会に向けて厳戒態勢が敷かれる北京市で13日、抗議者が市内の陸橋で「ゼロコロナ」政策や習近平国家主席を非難する横断幕2枚を掲げたことがわかった。

現場は北京大学や清華大学などが位置している海淀区の陸橋「四通橋」だ。

横断幕には「PCR検査はいらない、食料品がほしい。封鎖はいらない、自由がほしい。嘘はいらない、尊厳がほしい。文化大革命はいらない、改革がほしい」「独裁者で国賊の習近平を罷免せよ」などと書かれていた。海外のSNS上に投稿された動画には、陸橋から煙が上がっている場面があった。

北京市警察が現場で抗議者を連行し、横断幕を没収した。

ツイッター上では、ユーザー「彭載舟」が北京時間13日午前4時、「志を共にする皆さん、われわれはまもなく行動に出る」「中国には自由を求める男がいることを独裁者の習近平に見せつけよう」と投稿した。

投稿には23ページに及ぶ資料『習近平打倒攻略』のリンクが付けられていた。資料は、陸橋や建物の壁などに横断幕を掲げること、北京市の幹線道路で障害物を設置し、タイヤを燃やすことを提案した。横断幕の内容は、13日に海淀区の陸橋に掲げられたものと同じだ。

いっぽう、中国国内SNS上では「北京」「海淀」「橋」などの検索ワードが検閲された。微博（ウェイボー）上では、ネットユーザーが抗議者を「勇敢な人」と称えたため、ネット検閲当局は「勇敢な人」「勇敢」に関する投稿をブロックした。

多くのネットユーザーは、「PCR検査はいらない」は大半の中国人の声を反映していると支持し、抗議者の安全に懸念を示した。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル（WSJ）やCNNなどの海外メディアの北京支局関係者らも、現場に駆け付けて報道を行った。

CNNは、共産党の重要な会議を控える中、最高指導者を名指しで批判するのは異例なことだとした。

米AP通信によると、警察当局が抗議者を拘束した後、現場の四通橋に数十人の警官を投入した。警官らは周辺をパトロールし、店舗などを検査し、通行者の身分証明書をチェックして職務質問をした。