中国、吉林省・黒龍江省でバッタ発生 食糧危機の恐れ

2020/06/12
更新: 2020/06/12

中共ウイルス(新型コロナウイルス)の感染者が増えている中国東北部では、6月に入ってから、バッタの大群が発生し、農作物の被害が広がっていることが明らかになった。東北部は中国の主要食糧生産地である。中共ウイルスによるパンデミックで食糧の輸入が激減し、また、中国各地では異常気象が起きており、今後国内で食糧不足が発生する可能性が高いとみられる。

黒龍江省林草局が、6月1日に各関係部門に送った通知において、同省ハルビン市周辺の5つの区、県(市)で深刻な蝗害(こうがい)が発生し、面積2万4631畝(約244万2744平方メートル)の農作物が被害を受けたと明らかにした。同省のジャムス市と樺川県でも蝗害が見つかったという。

また、吉林省吉林市農業農村局も6月5日、各部門にバッタなどの害虫調査実施や被害防止強化を要求した。同局の通達によると、4日までに吉林市管轄下の蛟河市、樺甸市、永吉県、竜潭区などの荒れ地や林を含む13.4ヘクタールに及ぶ場所でバッタの群れが観測された。バッタの密度は、1平方メートルあたり10〜20匹だが、場合によって1平方メートルあたり50匹もいる。現在、バッタの状態はまだ幼虫だという。

吉林市政府は同日、農業農村局の通知を中国版ツイッター、微博に投稿した。これに対して、微博のユーザーは「疫病が収束していないうえ、4月に雪が降った。しかも、豪雪が東北部を直撃し、気温が15度以上も急降下した。地震、蝗害、干ばつと災いが続いている。次は何が起きるのだろうか」と不安を示した。

吉林市政府の微博ユーザーアカウント「吉林市発布」は6月5日、市内でバッタの群れが発生したと明らかにした(スクリーンショット)

東北部でみられたバッタは、中国当局が警戒しているサバクトビバッタではないとされている。昨年、サバクトビバッタの大量発生で、インドやパキスタンの農業生産に甚大な被害をもたらした。今年3月、中国当局は、サバクトビバッタが6月に中国の雲南省や新疆ウイグル自治区、チベット自治区を経由して、中国国内に飛来する恐れがあるとして、専門家による対策チームを設置した。

一方、中国インターネット上では、中南部の湖南省永州市でも蝗害が起きているとの映像が投稿されている。

中国国家統計局のデータによると、東北3省である黒龍江省、吉林省と遼寧省の食糧生産量は中国全体の20.8%を占める。昨年、3つの省の総生産量は約1億3811トンだった。また、農業が盛んな湖南省の昨年の食糧生産量は2975万トンと、遼寧省の2430万トンを上回った。

大量のサバクトビバッタが中国の雲南省などに襲来すれば、農業も深刻な被害を受けると予測される。

中国当局は、中共ウイルスの感染が拡大してから、各国有企業に対して海外からの食糧輸入を増やすよう求めた。しかし、インドやタイ、フィリピン、ベトナムなど各国政府は、緊急事態時に自国の食糧を確保するよう、小麦やコメなどの輸出を規制した。

中国南部の広東省や福建省など11の省は、6月8~11日まで、豪雨による洪水と土砂災害に見舞われた。中国当局の発表では、262万人以上が被災し、22万人超が避難した。14万5900ヘクタールの農作物が被害を受け、直接的な経済損失は40億4000万元(約609億円)に達した。

 

(翻訳編集・張哲)