米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは10月2日、関係者の話として、中国共産党の習近平党首が9月にワシントンを訪れた際、中国側が長めの休憩時間を求め、ホワイトハウス西棟に習近平専用の休憩室を用意するよう米側に要請していたと報じた。
このため、トランプ大統領との会談を含む訪問日程には、約5時間の空き時間が設けられた。習近平の健康状態をめぐる見方も、改めて注目されている。
中国側、ホワイトハウス西棟に専用休憩室を要請か
訪問計画に詳しい関係者によると、中国側は、73歳の習近平が行事の合間に休めるよう、ホワイトハウス西棟に習近平専用の「控室」を設けるよう米側に求めた。この部屋に入ることを認められたのは、妻の彭麗媛だけだった。
中国代表団のほかのメンバーは利用を認められず、習近平の側近である蔡奇氏も例外ではなかった。
関係者によると、中国当局の担当者は米側に対し、訪米中の習近平の休憩時間を多く確保するよう求めた。その結果、2日にも満たない訪問日程に、約5時間の空き時間が設けられたという。
また、習近平の先遣隊は約1か月前、当初9月24日に予定されていたトランプ大統領とのワーキングランチを取りやめた。これに対し、トランプ氏が今年5月に北京を訪れた際には、両首脳は中南海でワーキングランチをともにしている。
習近平がワシントンに到着した日の夜には、公式行事は組まれなかった。訪問最終日には、習近平は米国立公文書館に約10分間滞在しただけで、米側が当初想定していた時間を大きく下回ったという。
ただ、ウォール・ストリート・ジャーナルは、習近平がその前に約14時間の長距離移動を終えたばかりだったことや、時差も日程調整に影響したと指摘した。特に、到着した日の夜に予定を入れなかったことについては、時差への配慮が理由だった可能性がある。
関係者によると、国賓訪問に伴う式典の裏で、中国側の随行チームは、習近平がどの程度の時間立っていられるか、どのくらい歩けるか、いつ休憩が必要かを考慮して日程を組んでいたという。
ジョージ・W・ブッシュ政権で米国家安全保障会議(NSC)の中国担当上級部長を務め、国賓訪問の準備に3回携わったデニス・ワイルダー氏は、「これまで小泉純一郎首相、ジョン・ハワード豪首相、胡錦濤・中国共産党元党首の訪米を準備したが、こうした手配をしたことは一度もない。極めて異例だ」と述べた。
インド訪問後、健康状態への関心高まる
習近平の健康状態をめぐる憶測が広がったのは、今回が初めてではない。9月上旬、習近平はインドのニューデリーで開かれたBRICS首脳会議に出席したが、首脳晩餐会には参加しなかった。
さらに、9月13日に帰国した後、習近平は数日間、公の場に姿を見せなかった。このため、健康状態をめぐるさまざまな憶測が広がった。
もっとも、現時点で、習近平が特定の病気を抱えていることを示す信頼できる公的証拠は確認されていない。ウォール・ストリート・ジャーナルが中国共産党指導部を研究する専門家の見解として伝えたところによると、公開の場での習近平の言動に、認知機能の低下を示す兆候は見られないという。
米クレアモント・マッケナ大学の裴敏欣教授は同紙に対し、「重い脳卒中によって完全に職務を遂行できなくなった指導者と、身体機能には支障があるものの、認知機能は正常に保たれている指導者との間には、大きな違いがある」と語った。
習近平の健康状態は、中国共産党最高指導部における権力継承の問題とも関わる。習近平は中国共産党党首、国家主席、中央軍事委員会主席を兼務しているが、後継者は指名していない。
また、中国共産党には、最高指導者が職務を遂行できなくなった場合、3つの役職の後継者を速やかに決めるための、制度として定められた手続きもない。
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