米西部ワシントン州スポケーン郡で発生した大規模な山火事3件は2日も燃え続けている。少なくとも600棟の建物が焼失し、数千世帯が避難を余儀なくされた。被害の全容はなお明らかになっておらず、現時点で人的被害は確認されていない。
米CNNによると、地元当局は2日午後、ワシントン州内で15件の大規模な山火事が発生し、延焼面積は合わせて約1012平方キロに達したと発表した。被害範囲は広く、状況の確認には時間がかかる見通しだ。
ボブ・ファーガソン州知事は州全域に非常事態を宣言し、スポケーン地域には州兵を派遣した。州兵は消火活動への協力や避難住民への支援に当たっている。
特に警戒されているのが、1日朝にスポケーン北西部で発生した「オールド・トレイルズ火災」だ。米国では山火事を発生地点周辺の道路名や地名で呼ぶことが多く、この火災も道路名に由来する。
記録的な高温に加え、強風と異常な乾燥が重なったことで火は急速に拡大した。スポケーン市消防局のトム・ウィリアムズ局長は、強風にあおられた炎がスポケーン川を越え、住宅地に向かって広がっていると説明した。
また、「オータム・レーン火災」でも消火活動が続いている。いずれの火災も風向きによって状況が急激に変化する可能性があり、当局は住民に警戒を呼びかけている。出火原因については調査中だ。
山火事は地域の生活インフラにも影響を及ぼしている。スポケーン地域で電力と天然ガスを供給するアビスタ社によると、一時は3万件を超える利用者が停電し、2日現在も1万世帯以上で電力供給が復旧していない。約5300世帯では天然ガスの供給停止が続いているという。
火災によって送電設備の一部も損傷しており、同社は今後さらに停電が発生する可能性があるとしている。
ワシントン州公共用地長官のデイブ・アップグローブ氏によると、フロリダ州やアラスカ州を含む10州以上から支援部隊が派遣されたほか、オーストラリアからの救援隊も現地入りした。
避難した住民の中には、焼け跡となった自宅に戻り、貴重品や思い出の品を探す人もいる。一方、安全確認が終わるまで帰宅できず、不安な時間を過ごす住民も少なくない。
専門家は、太平洋岸北西部では30年以上ぶりとなる深刻な山火事シーズンを迎えていると指摘する。記録的な高温による乾燥が、山火事の大規模化や延焼拡大の要因になっている。
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