「クビにしてくれ!」
海外へ逃れるため、わざとクビになる。中国では今、そんな異例の行動を選ぶ高官が後を絶たない。
中国では財政難に苦しむ当局が金融業界への調査範囲を広げる中、海外資産まで調べられることを恐れた高官らの間で、国外へ逃れるため、わざと会社のルールを破ってクビになり、パスポートの返還を狙う動きまで広がっていることが分かった。
中国では近年、公務員だけでなく、教師や医師、国有企業の社員などにも出国規制が広がっている。勤務先がパスポートを預かるだけでなく、海外へ行けないよう、パスポートを使えなくする手続きを求められたり、過去5年間の海外渡航歴を調べられたりするケースも報告されている。
本紙の取材に応じた中国金融業界の関係者は、「知人の医師に末期がんの診断書を書いてもらう人もいれば、酒気帯び運転でわざと懲戒解雇され、パスポートを取り戻そうとする人もいる」と実態を明かした。実際、ある国有企業の幹部は、普通に退職してもパスポートが返還されない可能性があったため、酒気帯び運転でクビになり、返還されたパスポートでアメリカへ渡ったという。
海外へ行かせたくない当局と、調査が及ぶ前に国外へ逃れたい幹部たち。中国では今、その攻防が水面下で激しさを増している。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。