中国で屋台が急増している。
かつて中国当局は「街の景観を損なう」「都市のイメージが悪くなる」などの理由で、屋台を厳しく取り締まってきた。特に大都市では、屋台を排除する動きが長く続いていた。
ところが最近、その流れに変化が起きている。
中国メディアによると、各地で屋台営業が再び認められるようになり、その動きは北京や上海にも広がっている。北京では夜市が復活し、上海でも店の前で営業できるよう規制が緩和された。
背景にあるのは、やはり雇用環境の悪化だ。
中古厨房機器を扱う業者によると、屋台車や陳列ケース、蒸し器などの売れ行きが急増し、一部は前年比6倍に達したという。
屋台を始めるのは若者だけではない。リストラされた会社員、店を畳んだ経営者、料理人など、さまざまな人が生活のために参入している。
しかし、本紙の取材では、すでに屋台も飽和状態になっている実態が見えてきた。
河北省で5年間、焼きガチョウの頭を販売している屋台店主は、「屋台をやる人は年齢も職業もさまざまだが、実際に稼げる人は多くない。毎年新しく始める人がいる一方で、毎年多くの人が姿を消していく」と話す。
その理由について、「消費が落ち込み、人々がお金を使わなくなったことが大きい」と明かした。
また、本紙の取材に応じた中国問題の専門家、王赫(おう・かく)氏は、「当局が屋台を容認し始めたのは、民生を重視するようになったからではない。失業者の受け皿を一時的に増やすための措置にすぎない」と分析する。
さらに、「これはあくまで戦略的かつ一時的な調整であり、状況が変われば再び規制が強化される可能性もある」と指摘した。
街角に増えているのは、新たな起業家ではない。働く場所を失い、生活のために新たな道を探す人々だ。その数が増え続けていること自体が、いまの中国社会の苦境を物語っている。
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