先月28日昼ごろ、中国海南省三亜市の街中で、小学5年生の男の子(11歳)がマンホールに転落死亡する事故が起きた。
この日、三亜市は台風20号の影響で大雨警報が出されており、市内の小中学校と幼稚園は、その日の正午から授業停止になった。当時、町中は浸水していた。
そこへ学童(放課後児童クラブ)帰りの男児が、1人で自宅に向かった。バスに乗ろうとしてバス停近くまで歩いて行ったところ、マンホールから下水道へ転落した。転落場所は学校から100メートルほど離れた場所だった。
遺族は中国メディアに対し、次のように訴えた。
「学童は保護者に何の知らせもせずに、子供を1人で帰らせたんだ」
「当時、市の職員はマンホールのフタを開けて排水を行っていたが、開かれたマンホールの付近にはいかなる安全標識もバリケードも設置しておらず、『ここは危ないよ』と知らせる人も立っていなかった。マンホールを開けた職員2人は現場から離れたところで携帯をいじっていた」
マンホールに落ちた子供の遺体は翌日、川で発見されたという。
「浸水中の道路、安全標識もバリケードもなく、そばで注意する人もいない。蓋を開けた人たちは遠くで携帯電話をいじっていた」という、どう考えても当局による監督不行き届きの元で起きた事故に対し、世論から非難が殺到している。
「マンホールに転落する事故は毎年多く起きているのに、なぜ再発防止に真剣に取り組まないのか」
相次ぐ落下事故
近年、中国ではマンホールへの転落事故が相次いでいる。いずれも、きちんとした転落防止用の措置がとられていないことが落下原因となっている。
先月21日も四川省広元市の集合住宅敷地内で5歳児が3メートルの深さがある浄化槽のなかに転落し、救助しに降りた祖父が死亡する事故が起きた。事故が起きた浄化槽は工事が行われた後、蓋をせず、木の板を置いただけだったという。
9月21日には陝西省延安市で男児(8歳)が施工中の浄化槽に転落して溺死する事故が起きた。事故が起きた浄化槽の周囲には落下防止用の措置はなく、穴はビニールシートで覆われていただけだったという。
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