米国失業者数 約2年ぶりの高水準

2024/07/06
更新: 2024/07/06

米労働省が7月3日に発表したデータによると、米国の失業者数は9週連続で増加している。労働市場が弱まっていることを示している。

6月16~22日の1週間に、失業手当を受給しているアメリカ人(継続申請者)の総数は186万人に増加した。これは2021年11月以来の最高水準だ。

労働省のデータによると、解雇の指標として広く見られる新規失業保険申請件数は、23万4千件から23万8千件に増加した。これは歴史的基準からすると比較的低い数字だが、今年はほとんど22万件未満にとどまっていた新規失業申請件数が最近になって着実に増加している。

3日に発表された他のデータも労働市場が弱まっているとの見方を裏付けている。全米供給管理協会(ISM)は米国サービス部門の雇用がより速く縮小していると報告し、給与計算サービスを提供するADP社は広範な雇用成長が見られないと報告している。

ADPのチーフエコノミスト、ネラ・リチャードソン氏は声明で「「レジャー・接客業での回復がなければ、6月は低調な月となっていただろう」と述べた。

ADPの報告書では、6月に米国の民間部門の雇用者数が15万人と示されているが、同グループは、この数字は3か月連続で雇用創出数の減少を示していると指摘した。

米供給管理協会(ISM)の報告書は、米国のサービス部門の全体的な事業活動が活動縮小に陥ったことを示した。

ISMのサービス業調査委員会のスティーブ・ミラー委員長は声明で「6月の総合指数の低下は、事業活動の顕著な低下、2020年5月以来2度目となる新規受注の減少、および雇用の収縮が続いていることによるものだ」と述べた。

「調査回答者は、全般的にビジネスは横ばいまたは低下しており、インフレは緩和しているものの、一部の商品のコストが以前として大幅に上昇していると報告している」と付け加えた。

3日の民間部門の雇用増加データと失業保険申請件数に続き、市場アナリストは現在、5日の雇用創出の重要な指標である非農業部門雇用者数に関する政府公式発表に注目している。

一部のストラテジスト(戦略や方針の立案者)は、5日の雇用増加の数字が再び労働市場の軟化の兆候を示すだろうと予想している。

JPモルガン・チェースのエコノミスト、マイケル・ハンソン氏はメモの中で、同行は6月の雇用者数が20万人増加すると予想しているが、これは5月の27万2千人から減少することになるだろうと述べた。

米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は2日、ポルトガルのシントラで行われた欧州中央銀行(ECB)の金融政策会議のパネルディスカッションで、中央銀行の高金利政策はインフレ抑制に役立ったと述べた。現在、中央銀行の政策決定者は、金利を過度に長期間にわたって高く保ち、労働市場に悪影響を与えないように、金利を引き下げるタイミングを検討していると話した。

「あまりに早く行動すれば、これまでの良い取り組みが台無しになる可能性があることは十分承知している」とパウエル氏は述べた。「あまりに遅く行動すれば、景気回復と景気拡大を不必要に損なう可能性がある」

 

The Epoch Times上級記者。ジャーナリズム、マーケティング、コミュニケーション等の分野に精通している。