辞意を表明したジョンソン英首相の後任を選ぶ与党・保守党の党首選で決選投票に進むリシ・スナク前財務相は24日、当選した場合、英国のすべての孔子学院を閉鎖するなど対中強硬姿勢で臨むと強調した。
スナク氏は中国共産党を「英国と世界の安全保障上の今世紀最大の脅威」と呼び、英国に30カ所ある孔子学院をすべて閉鎖するほか、中国からのサイバー脅威に対抗するために「自由主義国の新しい国際同盟を構築する」と述べた。
中国研究グループ(CRG)によると、イギリスは孔子学院の数が最も多く、「中国語教育に対する英国政府の支出の大半(2015年から2024年の間に割り当てられた2700万ポンド)は、大学内の孔子学院に充てられている」という。
中国の産業スパイ対策については、英情報局保安部(MI5)を通して企業や大学を支援し、重要分野での中国の企業買収を防ぐと約束した。
また、中国共産党は「台湾を含む近隣諸国の抑止を図り」、外交的な脅しをかけ「一帯一路」構想で途上国を「債務のわな」に陥らせていると非難した。
いっぽう、中国共産党の機関紙・環球時報はスナク氏を候補者の中で唯一「英中関係の発展について現実的な見解を持つ候補」と報じている。決選投票を争うトラス外相は、スナク氏は「中国との貿易関係を緊密にしようとしていた」と批判。英保守党の人権委員会の幹部を務めるベネディクト・ロジャーズ氏も大紀元の取材に対して、「中国との経済関係を維持したいことで知られている」と指摘した。
今後は8月5日から9月2日にかけて、20万人以上の保守党員による郵便投票が行われ、9月5日に新党首が発表される。
(翻訳編集・山中蓮夏)
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