中国 客離れの裏で何が?

何かがおかしい中国映画界 昼寝が売れ、駄作がヒット

2026/10/08
更新: 2026/10/08

映画より昼寝サービスが人気。普通の映画には客が集まらないのに、「ひどすぎる駄作」には観客が殺到。さらにはチケット代の横取りまで。

いま、中国の映画業界でおかしな現象が次々と起きている。

10月1~7日の建国記念日「国慶節」に伴う大型連休中、中国の映画興行収入は約12億元(約280億円)、2015年以降で最低の水準となった。

客離れが進むなか、映画館も生き残りに必死だ。ついには上映室を昼寝場所として貸し出したり、映画を見ながら火鍋を楽しめるサービスを始めたりする映画館まで登場した。

一方、映画そのものにも珍現象が起きている。

制作チーム総勢わずか2人の低予算アニメ『牛来』は、画質が悪く、キャラクターの動きも不自然。何もかもがちぐはぐな作品だ。

ところが、「見れば後悔、見なければ一生後悔」という酷評がネットで広がると、「そこまでひどいなら見てみたい」と客が殺到。AIで作られた美しい映像があふれる時代に、手作りならではの粗さがかえって新鮮に映ったのかもしれない。愛国心や感動を押しつけられることなく、「ひどすぎる」と文句を言いながらも笑って楽しめる。そんな一風変わった映画体験が受けたのか、思わぬ大ヒットとなった。

さらに、90館以上の映画館が正式なチケットを発行せず、売上を興行収入に計上しないことで、本来は製作会社などに分配されるお金を横取りしていたことも発覚した。

映画は売れないのに、昼寝は売れ、駄作が大ヒットする。

おかしいのは映画業界なのか。それとも、こんな奇妙な現象を生み出している今の中国社会そのものなのか。

 



史上最悪なのに大ヒット なぜ中国人は映画『牛来』に殺到したのか

「史上最悪」と酷評されたのに、映画館には客が殺到。中国アニメ『牛来』の何が人々を引きつけたのか。その熱狂は、いまの中国社会を映す鏡となった

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!