中国共産党(中共)がセルフメディアへの統制をさらに強めている。5つの政府機関は最近、セルフメディアに対する新規制を共同で打ち出した。新規制は、セルフメディアが「何を発信するか」だけでなく、コンテンツの制作、配信、運営、さらにその背後にある経済活動まで規制対象に広げた。中共が曖昧な規定を使ってセルフメディアの言論空間をさらに狭め、発信者に敏感な話題を避けさせ、自己検閲を促す狙いがあるとの見方が出ている。
中共の国家インターネット情報弁公室、公安部、文化観光部、市場監督管理総局、国家ラジオテレビ総局は共同で、「インターネット情報コンテンツ多チャンネル配信サービス管理規定」を発表し、9月1日に施行した。
新規制は、コンテンツの企画、制作、配信、マーケティング、宣伝、マネジメントなどの業務をすべて規制対象とする。関連企業には登録に加え、コンテンツ管理責任者と管理チームの設置、契約するセルフメディアのアカウント運営者の身元を確認するほか、コンテンツ管理の責任も負う。
当局やプラットフォームが違反と判断すれば、機能制限や収益化の停止に加え、運営組織やアカウントを閉鎖することもできる。
評論家らは、中共の統制はもはやセルフメディアが「何を発信するか」だけにとどまらず、「誰が作り、誰が拡散し、誰が利益を得ているのか」にまで及ぶと指摘している。
中国人権アカウンタビリティ・データベース(悪人榜)創設者、林生亮氏は「インターネットに関わるものはすべて、彼らが重点的に統制する対象だ。共産党がどれほど恐れているかというと、技術による監視が後追いになる場合でも、先に恐怖を作り出し、それを社会に広げようとする。何かを話そうとした時点で、自己検閲して、発言を控える人もいる。こういうやり方で統制している」と述べた。
専門家によると、この「まず人を恐れさせ、その後は自ら口を閉ざさせる」という統制手法の鍵は、規定に多くの曖昧な表現を盛り込んでいる点にある。
中国人権派弁護士、游飛宇氏は「この制度は主にネット上の情報やコンテンツを審査するものだが、『ネット利用者の感情をあおる』『ネガティブな話題』など、曖昧な表現が非常に多い。当局が問題だと判断すれば、それだけで規制できる。そもそも『社会の注目を集める話題』とは何なのか。アクセスが集まれば、すべてそう呼ぶのか。当局が発信させたくない内容なら、『社会問題をあおった』と判断することもできる」と指摘した。
特に失業、賃金未払い、未完成住宅、金融リスクなどの社会問題は、もともとセルフメディアが積極的に取り上げ、実態を伝えてきたテーマだとされている。こうした内容に「ネガティブな話題」や「社会問題をあおった」といったレッテルを貼れば、発信者はアカウントや収入を守るため、こうした話題そのものを避けかねない。
游飛宇氏は「結局のところ、より集中的で統治しやすい体制を作り、言論表現を制限し、その空間をさらに狭めることが目的だ」と述べた。
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