フィリップス元技術者に有罪評決 X線技術の営業秘密を中国企業に提供

2026/08/25
更新: 2026/08/25

米司法省は8月24日、フィリップス・メディカル・システムズの元エンジニア、チーイー・ジェン被告(71)が、同社のX線技術に関する営業秘密を盗み、中国の競合企業「昆山国力電子科技股份有限公司(Kunshan GuoLi Electronic Technology Co. Ltd.)」に提供したとして、シカゴの連邦陪審から有罪評決を受けたと発表した。

1週間にわたる審理の末、陪審は8月21日、営業秘密の窃取をめぐる共謀罪と、盗まれた営業秘密の保有罪で有罪評決を下した。

ジェン被告はウィスコンシン州メクォン在住。フィリップスがイリノイ州オーロラで運営していた施設でエンジニアとして勤務していた。同施設では、CT装置に使われるX線管の研究開発と製造を行っていた。

フィリップスは「Dunlee」ブランドを通じ、長年にわたって独自のX線技術を開発し、医療機関向けに関連機器を販売していた。

2017年、フィリップスがオーロラの施設を閉鎖する準備を進める中、中国に拠点を置く昆山国力と同社副総裁のシャオチン・ドゥはジェン被告と接触。X線管の研究開発、製造、販売でフィリップスと競争するため、昆山国力のアメリカ子会社を設立する計画を進めた。

ジェン被告はフィリップスに在籍している間から、同社の機密文書を昆山国力やドゥに提供し始めた。また、フィリップスの複数のエンジニアを昆山国力の子会社に引き抜いた。

さらに、フィリップスの社内データベースからX線技術に関する営業秘密を無断でコピーし、昆山国力の子会社で技術開発に携わる際に使用した。

米連邦地裁のエドモンド・チャン判事は、ジェン被告への量刑言い渡しを2027年1月5日に予定している。

同じ事件では、フィリップスの元エンジニア2人も、盗まれた営業秘密を保有した罪を認めている。

ウラジーミル・ネフトネンコ被告(77)は2026年12月1日、フィンス・テンディアン被告(57)は同月8日に、それぞれ量刑を言い渡される予定だ。

このほか、中国蘇州在住のドゥ被告(64)、昆山国力、関連企業の昆山医源医療技術有限公司も起訴されている。3者はいずれも裁判所の「Fugitive Calendar(逃亡被告人名簿)」に登録されており、まだ罪状認否手続きに出廷していない。

イリノイ州北部地区のアンドリュー・S・ブトロス連邦検事は、企業の機密情報を盗む行為について、アメリカの雇用を損ない、将来を支える重要な研究開発を阻害する深刻な経済犯罪だと指摘した。

また、企業や個人、国家が機密情報を盗めば、アメリカの技術的優位性を脅かすことになるとして、営業秘密の窃取を引き続き訴追し、公正な競争と国家の経済安全保障を守る方針を示した。

FBI防諜・スパイ対策部門のロマン・ロザフスキー次長も、ジェン被告が中国の競合企業の利益のため、アメリカの勤務先から厳重に管理されていたX線技術の営業秘密を盗んだと指摘した。

そのうえで、アメリカの民間企業を守ることはFBIの重要課題だとし、営業秘密を盗む者には責任を追及すると強調した

李言