中国の失業率は5.2%? 「いいや、本当はもっと多い」
そう指摘したのは、中国で「国師」とまで呼ばれる著名な経済学者だった。政府寄りとされる人物ですら、公式発表をそのまま信じていなかったのである。
中国政府は今年1~5月の都市部の失業率を5.2%と発表し、「雇用は安定している」と強調している。
しかし、中国最高峰の名門・清華大学の経済学者、李稻葵氏(62)は7月11日に開かれた中国マクロ経済フォーラム(CMF)で、同じ都市部全体の失業率について、仕事探しを諦めた人なども含めれば実際は10.2%に達すると試算した。政府発表のほぼ2倍である。
李氏は中国人民銀行の金融政策委員や政府の経済顧問を歴任した、中国を代表する政府系の経済学者である。「経済の国師」とも呼ばれ、最高指導部が集まる中南海に最も頻繁に招かれてきた経済学者として知られる。
そんな政府ご用達の「経済の国師」までもが、政府と同じ「都市部の失業率」を分析した結果、公式発表とは大きく異なる数字を示した。中国の失業問題は、もはや統計の見せ方だけでは隠し切れなくなっている。
さらに懸念するのは若者の就職難である。今年は過去最多となる約1270万人の大学卒業者が就職市場に加わるため、雇用環境は一段と厳しくなるとみられている。
さらに、中国の失業率をめぐっては、統計方法そのものにも疑問が投げかけられている。専門家は、出稼ぎ労働者や収入のない個人事業主が十分に統計へ反映されていないことに加え、「週に1時間働けば就業者」とみなす基準などが、実際の雇用実態を見えにくくしていると指摘する。また、地方政府が大学と連携し、卒業生を一時的な仕事に就かせることで就職率を押し上げているとの指摘もある。
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