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中山義隆 石垣市長が自動失職 不信任決議受け 15年の市政に幕

2025/06/29
更新: 2025/06/29

沖縄県石垣市の中山義隆市長が、2025年6月29日午前0時をもって自動失職した。4期15年にわたって市政を担ってきた中山市長だが、専決処分に関する決裁日付の改ざんと虚偽答弁をめぐり、石垣市議会は6月18日、不信任決議案を賛成多数で可決。中山市長は地方自治法に基づく10日以内の対応期間中に議会解散や辞職を選ばず、自動失職を選択した。

尖閣で注目、保守派の旗手

中山市長は2010年に初当選し、以降4期連続で市政を牽引。尖閣諸島をめぐる問題では「尖閣諸島開拓の日」の制定や海洋調査の実施、標柱設置申請など積極的な姿勢を打ち出し、保守系首長連合「チーム沖縄」の一員としても知られた。

しかし2025年6月、国民健康保険特別会計の補正予算をめぐる専決処分について、5月30日付と議会に提出した決裁日が実際には6月9日であったことが判明。地方自治法上の期限である5月末を偽装したとして「公文書改ざん」「虚偽答弁」との批判が高まり、市民や議会の信頼を損なう事態となった。

議長を除く21人のうち19人が不信任案に賛成

6月18日の市議会では、定数22中、議長を除く21人のうち19人が不信任案に賛成。与党・野党・中立を超えて賛成が広がり、公明党議員2人のみが反対に回った。不信任案は中立の花谷史郎議員が提出した。

地方自治法第178条により、中山市長は6月28日までに「議会解散」「辞職」「自動失職」のいずれかを選択する必要があったが、6月19日の記者会見で「議会解散は筋が通らない」と述べ、解散を否定。6月24日には「辞職による選挙費用(約2200万円)の発生は市民の不利益」とし、自動失職を選ぶ考えを明らかにした。

6月27日、市役所で退任セレモニーが行われ、市民らが別れを惜しんだ。

出直し選挙へ 再出馬は「未定」

今後、50日以内に出直し市長選が実施される見通しで、日程は7月中旬から8月上旬が想定される。副市長が市長職務代理を務める。中山市長は再出馬について「未定」とし、自民党石垣市支部が7月2日に候補者を決定するとしている。

一方で与党内からは「けじめとしての不信任だが、中山市長を引き続き支持する」との声もあり、再出馬を期待する動きも見られる。

X(旧Twitter)上でも賛否

SNS上では中山市長の保守的な姿勢や尖閣での取り組みを評価する声が目立った。

「石垣市の中山市長を応援しましょう。八重山諸島全体の発展は日本を守ることにつながる」(@kanashindo)

「保守派として筋を通してきた市長。不信任は残念」(@keiai154614)

一方で、「自動失職を選びながら再出馬には言及しないのは中途半端」「長期政権による緩みが見えた」といった批判も見られた。また、「市民の信頼を裏切る行為。潔く身を引くべきだった」との声も報道で引用された。

大道修
社会からライフ記事まで幅広く扱っています。