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激変する中国 「絶望の橋」から

現代中国を覆う「飛び降り自殺リレー」【動画あり】

2025/06/26
更新: 2025/06/26

かつて人と人をつなぐはずだった橋が、今の中国では「命の捨て場所」となった。河南、山西、貴州、四川、湖北、湖南、陝西、広東……。飛び降り自殺がまるで「リレー」のように全国で相次ぎ、SNSでは「また始まった」「今月は何人目だ」といった悲鳴が飛び交う。

6月24日、河南省信陽市では、大学入試を終えたばかりの高校生が南大河大橋から身を投げ、その遺体が引き上げられた数時間後に、南寧市、浙江省、陝西省など複数の省で飛び降りが発生した。ネット上には「この国は生きているだけで罰ゲーム」という絶望の声があふれた。

飛び降りの背景には、生活の重圧、構造的な不平等、経済苦、そして容赦ない借金地獄が直結し、職を失い、返済の目途も立たず、先の見えない現実がある。多くの市民が命を断つことを選んでしまうのだ。

 

(2025年6月17日四川省、橋から飛び降りようとする女性を助ける通行人)

 

あまりに自殺が多発するため、各地の「自殺名所」となった橋やショッピングモールでは、飛び降り防止のための「監視員」や「救助要員」が常駐するようになった。防護ネットやバリケードが張り巡らされ、「飛び降り禁止!違反者には罰金1千元(約2万円)」と記された警告看板すら掲げられた。

しかし、こうした「表面的な対策」は、当然根本的な解決には至らず、SNS上には「また一人飛び降りた」とする映像や目撃証言が溢れ、「なぜここまでこの国は壊れてしまったのか」との嘆きが後を絶たない。

 

(飛び降り現場、2025年6月15日、湖北省)

 

専門家は、「現在の失業問題は、かつての『下崗』(国有企業の大量解雇)時代よりはるかに深刻」と指摘する。当時は借金が少なく、生活再建の道も残されていたが、今は、住宅ローン、ネット金融と、借金を抱えたまま職を失えば即生活破綻。「仕事がない」「生きていけない」「死んだほうがマシ」──そんな叫びが、いまの中国SNSの本音のトレンドだ。

しかし政府が目を向けるのは「対策」ばかりで、なぜ人々が死を選ぶのか、その根本的な問いは封殺されたままである。

監視員が立ち並び、警告看板が橋を埋め尽くす現代中国である。それでも止まらない命を捨てる「飛び降りリレー」が、この国の崩壊を静かに物語っている。

 

(飛び降り現場、2025年6月3日、山西省)

 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!