9月29日、「西安(陝西省)で初雪」とする動画をSNSに投稿した女性(劉さん、33歳)が行政拘留されたことがわかった。
実際この日、西安では雪は降っておらず、「ただ気温が下がって小雨が降っていただけ」と現地市民は指摘をする。
現地警察は翌日、「女性は虚偽の動画をネット上で広め、公衆の視聴を妨害し、悪影響を及ぼした」として、法に基づき行政拘留したと発表した。
この件をうけ、「そこまで大騒ぎすることか?」
「どんな悪影響をもたらしたというのか」
「ということは、今後、天気のことを間違えて言ってしまったら、自首しなきゃいけないのか?」
「それならいつもウソの予報伝える気象台も捕まえてよ」
「警察の権限乱用」
などと世論から反発の声も高く、ほかには「なぜ当局は雪に過剰反応するのか」と疑問視する声も。「もう9月だよ、6月でもあるまい」
というのは「六月飛霜(雪)」、つまり「夏に降る雪」という言葉を聞くと、中国人であれば、誰でもすぐ脳裏に浮かぶ言葉、それは「冤罪」である。
天災人禍が絶えない中国では、真相を明らかにした民衆が真相を隠蔽したがる当局によって弾圧されることが多い。その場合、たいていは「デマを広めた」を口実に真実情報を封鎖したり、本人を拘束したり罰金を科している。
例えば、先月18日、地震発生後の安徽省合肥市に「高層ビルにひび割れの疑いがある」と動画を投稿した市民の陳さんは、現地公安当局によって5日間拘束されている。
7月27日、観覧車の初乗りを「自慢したい」周さんの場合、「湖南省衡陽市の大観覧車」と題される写真5枚と、「私はこれに乗った最初のお客さんだよ」とする文を添えてネットに投稿したら、「デマ散布」を理由に行政処分を受けた。
2022年8月29日、まだ新型コロナのパンデミック期間中、「熱帯雨林」という名のユーザーが、「四川省成都市ではまもなく外出禁止、自宅待機の静態管理が行われるだろう」とネットに投稿した。すると、「デマ拡散」を理由に警察に15日間拘留され、1千元(約2万円)の罰金を科された。
しかし、投稿の2日後、現地当局は「市民は必要なとき以外は市外に出ず、原則家にいるように」との通達を出している。
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