グーグル、独占禁止法違反で敗訴 検索支払いめぐり

2024/08/06
更新: 2024/08/06

連邦判事が、グーグルが一般検索サービスと一般検索テキスト広告の市場において独占的地位を維持することで反トラスト法(独占禁止法)に違反したとの判決を下した。この判決は、2020年10月に米国司法省(DOJ)と州司法長官連合が開始した長期にわたる法廷闘争に終止符を打つものとなった。

判決内容

アミット・メータ地方判事は、8月5日に出した判決文で次のように述べている。

「証人の証言と証拠を慎重に検討し、評価した結果、裁判所は次の結論に達した。グーグルは独占企業であり、その独占を維持するために行動してきた。これはシャーマン法第2条に違反している」

訴訟の背景

グーグルに対する訴訟は、2020年10月に提起された。原告側は、グーグルがブラウザ開発者、モバイルデバイス製造業者、無線通信事業者と独占的な契約を結ぶことで反競争的な行為を行っているとした。

これらの契約により、パートナーは競合する検索エンジンをプリインストールすることが禁止され、ほとんどの米国のデバイスにはグーグルのみがプリインストールされることとなり、競合他社はユーザーにアクセスするための他の手段を見つける必要を生じさせた。

2021年には、グーグルはこれらのデフォルト配置から得られる広告収入に基づく「収益分配」契約で260億ドル(約3兆7931億円)以上を支払った。

判決

裁判所は、グーグルの行為により同社が「一般検索テキスト広告に対して競争を超えた価格を設定できる」ようになり、相当の独占利益を得ていると述べた。

グーグルは自社の行為が競争を促進し、そのサービスの品質によって正当化されると主張したが、裁判所はこれらの正当化が不十分であると判断した。

グーグルは大紀元に対して、「この判決はグーグルが最高の検索エンジンを提供していることを認めながらも、それを簡単に利用できるようにするべきではないと結論づけている」と述べた。同社のグローバル・アフェアーズ担当社長ケント・ウォーカー氏は声明で、「この判決に対して上訴する予定。プロセスが進行する間、我々は人々に役立ち、使いやすい製品を提供し続ける」と語った。

近年、アマゾン、メタ、アップルなどの他の大手技術企業に対しても独占禁止訴訟が提起されている。裁判所は、影響を受ける市場における競争条件を回復するための措置を講じることが期待されている。

訴訟の経緯

最終弁論は、コロンビア特別区の米国地方裁判所で訴訟が提起されてから約3年後の5月初旬に行われた。司法省のデビッド・ダルクイスト検察官は、グーグルの価格設定が独占企業の行動特性を示していると主張した。

一方、グーグルの弁護士ジョン・シュミットライン氏は、同社がメタやティックトックなどの技術大手と競争していることを強調した。

主要な争点は、グーグルの市場地位がデフォルトの検索エンジン契約を通じて支配力を持っているかどうかと、アップルなどのパートナーと広告収益を共有している点だった。

シカゴ大学の教授は、グーグルがSafariブラウザに対して検索収益の36%をアップルと共有していると述べた。

シュミットライン氏は、DOJの証拠は逸話的であり、定量分析に欠けていると主張したが、ダルクイスト検察官はグーグルのデータ自体が収益を失うことなく価格の大幅な上昇を示しており、独占的な優位性を示していると述べた。

今後の展開

このケースは今世紀で最も重要な独占禁止裁判と見なされている。

判決は、グーグルの事業運営に変更を加えるなどの構造的救済措置の可能性を示唆しており、グーグルの検索エンジンがデフォルトオプションとなる独占契約を変更または終了させることを含む可能性がある。

裁判所の判決には企業の分割を明示していないが、今後の手続きで適切な救済措置が決定される。

 

エポックタイムズ記者。テネシー州をはじめとする米国南東部を担当。