中国による米国大学への浸透 悪の見えざる手が皆を支配する(2)

2023/08/29
更新: 2023/08/29

器官摘取

ウェビナーの中で、ハドソン研究所の上級研究員で宗教の自由センター所長であるニーナ・シェア氏は、中国における強制的な臓器摘出に関する調査の中で、米国の多くの医学部や病院が中国臓器移植センターに寄付をし、中国から約344人の中国人移植外科医が研修に参加していると指摘した。  

シェア氏は「なぜこんなことするのか、なぜ技術や知識、場合によっては資金を共有するのか。それは、自国の大学が世界的な教育や技術開発の一翼を担っていることを示すためだ」「中国共産党が良心の囚人を臓器目当てに大量殺戮していることを考えれば、流布される知識は『二重利用』になるため、米国側がそうするのは非常に『愚かだ』」と語った。  

最近、米国医師外科協会は、中国における臓器狩りについて声明を発表した。米国当局と医師に対し、このような虐待を助長しないように全力を尽くすよう求めるとともに、米国の政府と医師に向けて、中国やその他の全体主義政権から来た医療専門家に対し、虐待の実行に利用される可能性のある技術の訓練や教育を行わないよう呼びかけた。

国際心肺移植学会(International Society for Heart and Lung Transplantation)は2022年、「中華人民共和国の臓器ドナーからの臓器や組織に関わる」研究論文を受け入れないと発表した。これは、中共が臓器の強制摘出を国家ぐるみで行っているということを示す証拠があるためである。

ハーグでのミロシェビッチ裁判の元検察官であるジェフリー・ナイスQC卿は、2019年、独立専門家調査団「中国法廷」の議長を務め、中国政権が長年にわたり、相当な規模で良心の囚人から強制的な臓器摘出を行ってきたと結論づけた。

法廷はまた、拘束された法輪功学習者がそのような臓器の主な供給源であることを示し、中国北西部のウイグル人やその他の迫害されている少数民族、チベット人や少数派のキリスト教徒も危険にさらされていると指摘した。 

法輪功は、法輪大法とも呼ばれ、精神的な修養と、「真・善・忍」の三大原則に基づき道徳的な指導を含む修煉方法である。

法輪大法情報センターによると、1999年7月以来、中国共産党政権は法輪功を残酷に迫害しており、数百万人が刑務所、労働収容所、その他の施設に収容され、数十万人が収容中に拷問を受けたという。

弾圧の輸出

法輪大法情報センターのシンシア・スン研究員によると、米国の大学への浸透により、中国共産党は国境を越えた弾圧を犯すことを可能にした。

スン氏は、法輪大法情報センターが最近発表した「監視、中傷、検閲」という報告書を取り上げた。同報告書は、米国にある大学、数十校について、中国政府の迫害が米国の法輪功信者にどのような影響を与えているか、法輪功学習者の立会いの下で調査した。

報告書によると、法輪功学習者は映画上映、美術展、嘆願書への署名など、20年以上にわたる迫害を人々に知らせる活動を行った。それだけで、法輪功学習者は当局から「多くの報復」に直面しているという。

その中には、中国にまだ家族がいる中国2世や留学生も含まれており、彼らは中国にいる家族に嫌がらせをされたり、「家族に危害を加える」と脅されたりすることが多い。

このような報復の結果として、回答者の5分の1は、自分が法輪功学習者であることを認めたり、教室で法輪功について話したりすることに、何らかの、あるいは非常に抵抗を感じると答えた。

「中国の法輪功学習者や香港の活動家、その他の少数民族の活動を統制することで、中国共産党は、米国に監視、誹謗、中傷をもたらす可能性がある」とスン氏は話す。

その1つが、ペンシルベニア大学で法輪功学習者が主催した孔子学院と中国政権との関係にスポットを当てたドキュメンタリー『孔子の名において』の上映会で発生した。

法輪大法情報センターの報告書もこの事件を引用している。報告書によると、中国学生学者連合会(CSSA)に所属する79人以上の学生が、大学院生評議会に対し、法輪功学習者は「反中国」団体だとして苦情を申し立てたという。そして、ソーシャルメディアにヘイト言論を投稿した。

これらの留学生は、中国の伝統文化や中国人共通の文化財産に誇りを持っているはずだ。しかし、中国共産党は洗脳と教育によって、中共が中国を代表し、党に反対することは中国の歴史や文化に反対することだという考えを植え付けてきた。

そのため、多くの人々が法輪功学習者が「反中国」の団体だと思い込んでしまっている。

実際にはCSSAが中国共産党の「代理人」である。

留学生を支援し、文化交流を促進するために設立されたCSSAだが、裏では北京の巨大な対外影響力工作の一部である中国共産党の統一戦線工作部に所属している。 

アナリストによると、CSSAは外国に政治的影響力を及ぼし、反対派の弾圧、情報収集、米国技術の中国への移転などを目的に、何千もの「代理」組織を調整している。

法輪大法情報センターの報告書によると、少なくとも9つの大学の調査回答者が法輪功活動への妨害に直面した、または妨害を受けたと聞いたことがあり、そのうち6つは領事館関連のCSSAが関係していた。 

また、中共のプロパガンダ、特に法輪功に関する誤解を反映した中傷的な内容を大学の教科書『中国人のすべてを論じる』に掲載することで、宗教弾圧を米国本土に輸出しようとしているという。

報告書によると、イェール大学、ブラウン大学、シカゴ大学、ミシガン大学、ウェルズリー大学を含む少なくとも10大学が、法輪功を中傷するプロパガンダを含む中国語の教材を使用していることが判明した。 

法的解決策 

オクスネバド氏によれば、中国の「認知戦争 」を撃退するには、連邦政府や州政府による法整備が必要になるという。

時々、彼らは単にそれを見て見ぬふりをする。オクスネバド氏は、可能な解決策として「比率資金援助」(納税者の資金援助の資格の有無と外国団体からの資金援助の程度を結びつける)を挙げた。

開放性は、全体主義的な国々から大学のキャンパスにスパイが流入することを許してしまう。 大学のシステムをどのように管理し、規制するかという点で、それは変えるべきだとオクスネバド氏は述べた。

(完)

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