米国海軍の空母がタイに到着

2023/05/01
更新: 2023/05/01

バンコクに所在する在タイ米国大使館は、米国海軍のニミッツ空母打撃群が南シナ海を横断した後、4月下旬にタイのレムチャバン港に到着したと発表した。「米国とタイの安保提携の強化と人的交流の促進」を目的とした今回の寄港は6日間である。

タイ寄港中、空母打撃群は米国とタイの国交樹立190周年を祝うレセプションを主催する予定となっていた。

タイに寄港した空母打撃群は、空母「ニミッツ」(写真参照)を中心にタイコンデロガ級誘導ミサイル巡洋艦「バンカーヒル」、アーレイ・バーク級誘導ミサイル駆逐艦「ディケイター」と「ウェイン・E・マイヤー」で構成されている。

ニミッツ空母打撃群は2022年11月に定期展開としてワシントン州ブレマートン港を出港していた。

2023年4月に東シナ海において海上自衛隊と大韓民国海軍と共に日米韓共同訓練を実施したニミッツ空母打撃群はその後、中国人民解放軍(PLA)が中国初の国産空母「山東」を運用して台湾周辺で軍事演習を続ける中、台湾の東部海域を航行した。

2023年4月上旬にカリフォルニアで開催された台湾の蔡英文総統と米国連邦議会下院のケビン・マッカーシー議長との会談に対する明らかな報復として、中国は空母「山東」や他の軍艦を展開して台湾包囲軍事演習を実施した。

台湾の邱國正国防相は記者団に対し、ニミッツ空母打撃群の航行は確認できていないが、状況を考慮すると、空母「山東」などを用いた中国の軍事演習と「関係がある」と語っている。

米国海軍はニミッツを2026年に退役させる予定である。 同原子力空母が就役したのは1975年で、ニミッツ級航空母艦の艦齢は大規模艦齢延命により約50年とされている。

乗員数が約6,000人で、 最大90機の固定翼航空機とヘリコプターを搭載できるニミッツは世界最大級の軍艦である。

別の原子力空母「ドワイト・D・アイゼンハワー」も2027年に退役する予定となっている。

Indo-Pacific Defence Forum