中国との「無邪気な交流」やめよ…米ポンペオ前国務長官、デカップリング促す

2022/09/29
更新: 2022/09/29

米国のポンペオ前国務長官は27日、訪問先の台湾・高雄市で講演し、中国共産党政権と「戦略的なデカップリング」をすべきだと述べた。不自由・不公平な経済圏を押し付ける中国との「無邪気な(naive)交流」をやめ、自由な台湾との関係を強化するよう呼びかけた。

ポンペオ氏は、外交や軍事における中国の攻撃的な行動により、インド太平洋地域の情勢が大きく変わった一方、「平和と通商を好む人々とのより緊密な関係が生まれた」と語った。

米国は国交樹立後、中国に様々な援助や投資を行ってきた。しかし中国は米国の期待した「自由や公平」に基づく体制に移ることなく、共産党による不公正な貿易慣行、強制労働などの人権問題は続いている。

米国にとって不利な対中貿易環境は過去数十年間続いたが、トランプ前政権が講じた中国製品への課税や輸出規制といった強硬政策により、流れを変転させたという。これにより、米国と台湾にとって有益な関係の構築は深まったとした。

ポンペオ氏は台湾の半導体産業の力強さを讃えた。「携帯電話やコンピューターなど世界に流通する多くの電子機器には台湾の半導体企業で生産したものが含まれている。今日、世界にとって極めて重要なものが台湾の供給に依存しており、米国の経済と国家安全にとっても台湾は重要だ」。

ポンペオ氏は今年3月に訪台した際、台湾は主権国家の条件を揃えていると言及した。今回の訪台でも同様の主張を繰り返した。「台湾は独立宣言をする必要はない。現実として、すでに独立した国家であるからだ」。

さらに共産主義体制と自由民主体制との違いを強調した。「台湾と中国を訪れた人々が、この2つの場所を同一視することはない。一つは自由で、もう一つは自由がない。一つは米国の盟友であり、もう一つは高圧的な敵対勢力だ」

そのうえで、米国をはじめとする自由主義諸国は、中国共産主義体制に対する変化の期待を含む「無邪気な交流」をやめ、「戦略的なデカップリング」を進め、自由主義社会を持つ台湾との連携を強化すべきだとポンペオ氏は述べた。

(翻訳編集・王天雨)

鐘元