中国のコロナワクチン、最新治験有効性「50%」当初の発表大幅下回る=ブラジル研究チーム

2021/01/14
更新: 2021/01/14

ブラジルの研究チームはこのほど、同国で行われている中国シノバック・バイオテック科興生物技術)が開発した中共ウイルス新型コロナウイルス)ワクチンの後期臨床試験(治験)について、有効性が50.38%にとどまっていると示した。

サンパウロ州にあるブタンタン研究所(Instituto Butantan)は、中国側と提携し、シノバック・バイオテックが開発したワクチン、コロナバックCoronaVac)の後期臨床試験を実施している。同研究所の担当者は7日、同ワクチンの「全体的な有効性」は78%に達したとし、重症化を防ぐことができるとの見方を示した。

香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト13日付によると、同研究所の研究チームが12日にブラジル衛生当局に提供した新たなデータでは、1万2508人のボランティアが参加した後期臨床試験で、同ワクチンの有効性は50.38%しかなかったという。先週発表した有効性と比べて、約30%大きく下落した。

ブタンタン研究所の臨床研究者であるリカルド・パラシオス(Ricardo Palácios)氏は、有効性の低下に関して、「症状の非常に軽い患者が含まれているためだ」と説明した。

サンパウロ州が昨年12月に治験の結果発表を延期したため、コロナバックの有効性について疑問視された。

昨年11月24日、一部のメディアは、ブラジルで行われているコロナバックの第3相臨床試験で十分なデータが得られているため、同国政府は12月初めに中期分析結果を発表すると報道した。しかし、サンパウロ州知事は12月15日、第3相臨床試験の報告を同月23日に延期すると発表した。

その後、シノバック・バイオテックは、「インドネシアとトルコで実施されている治験結果を分析する必要がある」として、サンパウロ州に対して、報告発表をさらに15日間遅らせるよう求めた。

一方、ブルームバーグなどによれば、インドネシアとトルコでは治験の参加者が少ないため、有意なデータを得られなかった。インドネシアで65%の有効性、トルコでは91.2%の有効性を得られた。ブルームバーグは、インドネシア、トルコ、ブラジルでの4つの有効性が大きく異なっているため、コロナバックの不透明感が増しているとの見方を示した。

ブラジル政府とブタンタン研究所は8日、2021年末までに1億回分のコロナバックを購入することで協定を結んだ。ブタンタン研究所は、シノバック・バイオテックと提携し、コロナバックを生産している。

(翻訳編集・張哲)

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