2016年に入ってから、中国の河北省や黒龍江省、遼寧省、山東省などの街中で、「江沢民が国内外で告訴・告発されている」と伝える看板やポスター、ステッカーなどが掲げられている。
中国当局に弾圧を受けている気功・法輪功の学習者が掲示したと見られている。法輪功は、迫害を指揮した江沢民元国家主席を大量虐殺(ジェノサイド)などの罪で刑事告訴するための活動を、行政訴訟法が改定した2015年5月から続けている。
法輪功学習者は、これらのポスターを貼る作業を、警官に発見されたり、住民から通報されたりすれば、逮捕される可能性が高い。このリスクにもかかわらず、「元主席を告訴する」との中国国内外の動きを伝えるため、学習者たちは掲示作業を続けている。
法輪功の情報サイト・明慧ネットの集計によると、2015年5月末から2016年1月2日までに、約20万2003人(17万1236案例)もの法輪功学習者とその家族が実名で江沢民元主席への告訴・告発状を中国最高人民検察院に提出した。そして今月2日の1日だけで119人が告発状を提出した。
情報封鎖されている中国国内では、江沢民元主席に対する告訴に向けた動きなどメディアが取り上げることはなく、ネットも検閲されるため、多くの市民はこのような実情を知らずにいる。
アジアでの署名数は100万9784人にのぼった。2015年12月10日世界人権デーまでの統計を、告発署名活動の主催者・法輪功人権救済弁護団が発表した。そのうち、日本では約6万5千の署名が集まっている。
国際社会でも「江沢民告訴・告発」に支持の声
世界中で「江沢民告訴・告発」の動きは展開しており、各国の政界からも支持の声が上がっている。
告発状にサインした元カナダ検事総長で人権派弁護士の国会議員アーウィン・コトラー氏は2015年12月9日、記者会見で、「中国当局は直ちに法輪功への迫害を停止すべき」「もし中国政府が本当に腐敗をなくすための積極的な態度で、法を順守しようという意識があるならば、迫害を直ちにやめ、告訴状を受理すべきだ。これは、中国当局が新しい道を歩むかどうかを見極める試金石となる」と述べた。
米国議員も告発にサインしている。共和党・下院議員ダナ・ローラバッカー(Dana Rohrbacher)氏は「江沢民告訴に参加する法輪功学習者が、引き続き弾圧されたら、米国は公にこれを制止するべき」と明慧ネットの取材に答えた。共和党・下院議員ロバート・ピッテンジャー(Robert Pittenger)氏は「私は彼ら(江沢民告訴に参与した法輪功学習者)と同じ立場で、信仰や自由な文化信念を持つすべての人々と同じ立場」と述べた。
2015年8月10日、10人のスイスの政治の要人たちは、江沢民告訴を促すために、連名で中国の習近平国家主席あてで「人道に反する罪、拷問罪などの重大な犯罪を犯した江沢民を、法律に従って処罰することを支持する」との共同書簡を送った。
台湾地方政府議会は、相次いで「江沢民告発」をうながし、法輪功迫害停止を求める議案を可決した。これまでに花蓮、高雄、台中、雲林に続いて4番目の県議会の可決議案となった。
1999年7月20日に始まった、江沢民元国家主席による法輪功への残虐な迫害は今なお続いており、一億人以上の法輪功学習者とその家族に苦難を与えてきた。社会階級や民族の問題を超えた法輪功迫害は、中国の法治制度を崩壊させ、道徳水準の急降下にともなう政治家の汚職など様々な事件を引き起こした。
2ページ目に各地の写真を掲載。
(翻訳編集・山本アキ/佐渡道世)
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