【大紀元日本2月8日】今月14日の旧正月(春節)を前に、中国では帰省ラッシュのほか、結婚ラッシュも繰り広げられている。ただでさえ慌ただしい年の瀬に、なぜ多くの中国人が結婚式を挙げるのか。
この結婚ラッシュは、すでに過ぎてしまった立春と関係がある。今年の立春は2月4日だったのに対し、旧正月、つまり旧暦の新年の幕開けは2月14日。新年が来る前に立春が来たため、新しい年には立春がないことになる。中国では古くから、若い男性を春に喩えることから、「立春がない年」とは「若い男性がいない年」、つまり夫に先立たれる「寡婦年」とみなされることになる。
そんな不吉な年を避けるべく、その前に結婚式を挙げてしまおうという「駆け込み婚」が旧暦の年末に多い。日柄のいい休日ともなると、花嫁を乗せた豪華リムジンや華やかに飾られた車が町中を揚々と走り抜け、どこのレストランやホテルでも披露宴がにぎやかに開かれ、あちらこちらからお祝いの爆竹が聞こえ(爆竹禁止の町もあるが)、殺風景な真冬の町がたちまち幸せ色に染められていく。
披露宴に参加する人たちもこのムードの中、はしご酒に奔走する。友人の披露宴に顔を出し、「紅包(ホンボウ)」(ご祝儀)を渡したら、すぐさま上司のお嬢さんの結婚式に駆けつけるという人も多いようだ。一方、披露宴の出席予定者が急遽出席できなくなったり、途中で抜けたりして、さびしい披露宴になるケースも多いという。ただ、慣習にとらわれない今時の中国の若者たちは、披露宴の後にさらにカラオケ宴を開き、抜け出した友人をまた呼び戻すなどの「対策」を取っている駆け込みカップルもいるという。
「寡婦年」なんて迷信だという若者も多いが、縁起を担ぎ、慶事に禍いとなるような要素を極力避けたいという思いは、ハイテクな現代社会でも万国共通のようだ。
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