【大紀元日本11月24日】中国は昨年、世界最大の石炭消費国と世界第2位の石油・電力消費国となった。そのため中国による巨大なエネルギー需要は国際的に論議を引き起こしている。米国VOAが報道した。
19日東京で開催された第8回アジア太平洋発展座談会で、日本の軍事評論家、拓殖大学客員教授・江畑謙介氏は中国のエネルギー消費構図を分析した。それによると、中国は2000年に7億6800万トンの石油を消費した。今の経済発展速度で試算すると、今後10年ごとに石油消費は約7億トンを増加する見込みという。
また、同氏は「1993年から中国は石油輸入国に転身した。しかし90日間の石油備蓄目標は大半の先進国と比べると、約半分にしか達していない。水力や、原子力発電の能力も莫大な市場需要から見ると非常に限定的だ、そのため石油供給源の安定や、運輸ルートの安全確保は、中国当局の重要な国策となっている、中国の外交と軍事行動は、この国策を中心に展開されている」と説明した。
江畑氏:中国の実質軍費予算は世界第2位
江畑氏は「中国石油輸入の8・5割を占めるアフリカと中東の運輸航路には、潜在的な危険要素が多く潜んでいる、しかし、同じく9割の石油をこの航路で運輸する日本にとって、沿線にはほとんど敵対国家がいない」と現状を指摘し、「ペルシャ湾にはインド、インドネシア領海にはマラッカ、スンダとロンボク海峽、南海にはベトナムや主権争いのある南沙諸島、台湾海峡も最後の経由地だ」と詳細を分析した。同氏は、こうした石油供給リスクを分散するために、中国当局は多元化外交を実施、反米国家や、アフリカ、中南米国家、イランなどと接近し、近隣の石油供給国と友好な同盟関係を確立すると同時に、東シナ海と南シナ海の主権と資源採掘権を強く主張し続けている。
中国は反米同盟のイランに核技術と軍備を販売し、ブラジルやチリなどの中南米国家での投資を拡大させ、インドを牽制するために、パキスタンに軍用武器を輸出している。中国のエネルギー外交戦略は今年1月に完成したパキスタンでの港湾建設の一期工事からも読み取れる、このプロジェクトは新設されたミャンマーでの港湾施設と同様、中国海軍の艦艇の最前線基地として使用可能で、中東とアフリカからの石油運輸の荷揚港の役目も果たせる。
また、同氏は中国がエネルギー外交を強化する一方、軍事力の増強にも注力していると明かし、「実質国防予算は公表した数字の3倍になり、2001年にはすでに日本と肩を並べ、今年は米国に次ぎ世界第2位となるであろう」と分析した。同氏の見解によれば、ロシアと中国の連合軍事演習や、イスラエルから新型武器を輸入したことなどで、中国軍事力の近代化がさらに強化され、日本や台湾などとの資源や統治権をめぐる紛糾が一層憂慮される状況になる。
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