カナダ・コーヒーチェーン「Tims中国」累積損失700億円超 中国進出後 黒字化できず

2026/08/21
更新: 2026/08/21

カナダ発のコーヒーチェーン、ティム・ホートンズの中国事業「Tims中国」は、2019年に中国本土へ進出して以降、黒字化できていない。2026年6月末時点の累積損失は約33億1千万元(約700億円)に達した。第2四半期の売上高は前年同期比21.7%減、既存店売上高は同17.8%減だった。

上半期の純損失は53%拡大 売上高も18.4%減

「Tims中国」を運営するTims天好咖啡が8月18日に発表した決算によると、2026年上半期の売上高は5億3千万元(約110億円)で、前年同期比18.4%減少した。純損失は2億700万元(約43億円)となり、前年同期の1億3500万元(約28億円)から約53%増えた。

第2四半期の売上高は2億7300万元(約57億円)で、前年同期比21.7%減だった。純損失は前年同期の7590万元(約16億円)から9740万元(約20億円)に拡大した。

本業の収益力を示す調整後EBITDAは、前年同期の220万元(約4600万円)の黒字から、2100万元(約4億4千万円)の赤字となった。

6月末時点の総資産は10億2800万元(約215億円)だったのに対し、総負債は24億3400万元(約510億円)に上った。債務超過は14億700万元(約294億円)だった。現金や預金などは1億2100万元(約25億円)にとどまった。

既存店売上17.8%減 注文減で店舗数も縮小

第2四半期の既存店売上高は前年同期比17.8%減少した。直営店に限っても17.3%減だった。

直営店の注文数は1050万件から830万件へ減り、20.7%減少した。平均客単価も0.9%下がった。直営店の貢献利益率は前年同期の9.6%から5.7%に低下した。

6月末時点の店舗数は1028店で、2025年末から19店減った。直営店は前年同期の566店から544店に減少した。

ラッキンやコッティとの価格競争が収益を圧迫

Tims中国はコーヒーと温かい軽食を主力とし、価格は20元台が中心である。

瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー)や庫迪珈琲(コッティコーヒー)は、低価格キャンペーンを続けている。Tims中国は、スターバックスの値下げに加え、Manner CoffeeやM Standなどとも競合している。

飲食・食品業界アナリストの林岳氏は中国紙「華夏時報」に対し、中価格帯のコーヒー市場では、低価格帯ブランドとの競争に加え、高価格帯ブランドの値下げや茶飲料チェーンの参入が競争を激しくしていると指摘した。

上海啡越投資管理の王振東董事長も中国メディア「界面新聞」に対し、Timsはコーヒーと軽食を提供する複合型のカフェ・レストランであり、運営コストが高いと説明した。消費が弱い局面では、こうした業態は利益を確保しにくいという。

中国本土の消費の伸びは、2026年も鈍化が続いている。中国国家統計局によると、7月の社会消費品小売総額は前年同月比0.6%増にとどまった。2026年1~7月までの伸び率は1.2%だった。

7月の飲食収入は前年同月比1.4%増だった。一定規模以上の飲食事業者の飲食収入は、前年同月と同じ水準だった。1~7月までの飲食収入は前年同期比2.6%増となった。