7月6日、中国・広西チワン族自治区横州市で複数のダムが相次いで決壊し、大規模な洪水が発生した。
本紙姉妹メディアのNTD新唐人テレビが現地で住民や民間救助隊を取材したところ、「犠牲者は公式発表を大きく上回る」と話した住民や、被災状況を発信した救助関係者が、当局から拘束や脅迫、動画削除などの圧力を受けていたことが分かった。
その動きは当局の発表からも見て取れる。横州市の警察は8月4日、「洪水に関するデマを流した」として18人を摘発したと発表。このうち複数のネット利用者は、「雲表鎮のスーパーで数十人から100人以上が死亡した」と投稿したとして、3日間の行政拘留処分を受けた。
NTDの取材に応じた、ダム決壊で甚大な被害を受けた横州市雲表鎮の商店主は、洪水が2階の高さまで達し、多くの人や車が濁流に流される様子を目撃したと語った。「事前に避難の知らせがあれば、ここまで被害は大きくならなかった。店は流され、道路には40~50台の車が沈んだ。今は街全体に人影も少なく、死んだように静まり返っている」という。
また、最初に決壊した六藍ダム下流の住民もNTDに対し、上流で浸水が始まっていたにもかかわらず、ダムは養魚業者に貸し出していたため放流が行われず、水門を開けようとした時にはすでに手遅れだったと明かした。「死者は数千人規模ではないか。私たちの村では40戸以上が流され、70戸余りが家を失った。それでも動画は削除され、ライブ配信で災害について話せば、すぐ配信停止になる」男性の言葉には、被害だけでなく、その現実すら伝えられない無力感がにじんでいた。

発災直後から現地で救助活動を行った民間救助隊の男性も、NTDに対し、被災地の動画を公開した後、地元当局から電話で削除を強く求められたと明かした。「私は事実を伝えただけなのに、権力を振りかざして脅された。コメントは削除され、閲覧数も抑えられた。結局、自分で動画を取り下げた。今では何を投稿しても、ほとんど人に届かない」と悔しさをにじませた。
災害時には、被害の実態を正確に伝えることが人命救助や支援につながる。しかし今回の広西の洪水では、その情報を発信した住民や救助関係者が取り締まりの対象となった。
洪水でのみ込まれたのは街や家だけではない。被災地の現実を伝える声までもが、情報統制によって封じ込められようとしている。

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